放課後に君と話そう
放課後
奈歩と瑠偉。牧野は自分達が購入した朝顔の種や先生からもらった向日葵の種を均等に植えていく。
「楽しみだね。今から植えれば朝顔は夏休みには咲くよ」
部長が笑顔を浮かべる。
「夏休みの水上げ当番のスケジュール表、香取さんにも渡すね」
月島君が私に話しかける。
「うん、ありがとう」
3人は如雨露を持って、花壇に水をあげていく。
「香取さん。部長にも言ったけど、8月25日に学校来れる?」
8月25日は私の誕生日ー...
「奈歩ちゃん誕生日なんでしょ。3人でお祝いしよう」
部長は先生も入れて4人かと笑っている。
「はい。行けます!」
私は笑顔で答えた。
(夏休みの学校に行くことが楽しみになってる。園芸部に入部してから、私は変われたなと染々と思った)
部長が私と月島君の分も如雨露にロッカーに返しに行ってくれた。
「香取さん。本当に加恋の家に行って大丈夫?」
月島君は私を心配してくれている。
「私も彼女と向き合わないと行けないから...」
私の言葉にポツリと呟いた。
「俺もだな」
◇◇◇◇
園芸部の活動を終えた2人は、校門の前で待っている浜口美久と合流した。
彼女はいつもの濃いメイクではなく、部活に励んでる時の顔だった。
私も月島君も目を丸くした。
「な、何よ」
私たちの反応に照れてる彼女に笑顔を向ける。
「浜口さん、今の姿も可愛いよ」
ニコッと笑うと月島君が続く
「初めて会ったときは、そういう感じだったもんな。浜口」
2人の言葉に若干照れたように、「さっさと行きましょう」と美久は言葉にした。
◇◇◇
美久は加恋の家に行く途中、奈歩と瑠偉の表情を見比べる。
(月島君は奈歩を愛しそうに見つめている)
加恋はそれが苦しかったのだろう。
◇◇◇
私は宮沢さんの自宅に到着したとき、屋敷の広さに驚いた。
ドラマに登場する豪邸のようで、大きな黒い門が備え付けてあった。
「宮沢さんの家、こんな大きかったの」
月島君は私の質問に答える。
「加恋の家は地主なんだ」
浜口さんはインターホンを押す。
ピンポーンとチャイムが鳴った。
『はい』
宮沢さんの声。深く沈んでる声だ。
「美久だけどお見舞いにきたよ。」
明るく話す浜口さん。
『...悪いけど、今誰とも会いたくないの。帰って』
拒絶の言葉に浜口さんが尋ねる。
「加恋いいの?月島君と奈歩も来てるよ」
『..!!』
数秒後、門が自動で開いていく。
私はゴクリと一息飲んだ。
「入っていいみたいね」
ほっとする浜口さん
「行こう。香取さん」
月島君が私に話しかける。
「うん」
3人は並んで宮沢邸に入っていった。
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