第7話 期待しちゃだめですか?
夏休みはあっという間に過ぎてゆく。
気づけば夏休みも1週間ほど経過した。
この1週間で何か咲樹との間に進展はあったのか。
まあ……特に無いわけでもない。
毎日1対1をやるようになってから、咲樹と一緒にいる時間が前よりも長くなった。
そして私の好きなアニメを咲樹が見始めたことで、より一層咲樹と距離が近くなったと思う。
しかしながら困った問題も起き始めてしまっていた。
ーめちゃくちゃ期待しちゃうじゃん……!?
咲樹になんも他意はないことはわかってる。
けど最近の咲樹の行動には私はひたすらに振りまわされてばっかりだ。
例えば、私がほかのメンバーとアニメの話で盛り上がっていた直後に私の好きなアニメを見てみると言ってくれたし、
新しく付けて来ていた咲樹のミサンガに、なんの願い事をして結んだのか聞いたところ、
「翠と結婚出来ますようにって」
と言ってきたので、私は平静を装いながら、
「その未来は確定してるから、他の願い事がいいんじゃない?」
と冗談交じりにそう言った。
はっきり言って冗談にはなって欲しくないし、きっと冗談で言ったんだろうけどその日はいつまで経っても寝付けなかった。
あとはと言うと、私の同じクラスであるアニメ仲間の男子と部活前に会った為、少しアニメの話をしていた所を女バスに見られてしまい、帰り道散々冷やかされたことがあった。
その時咲樹を見ると咲樹はみんなと同調して冷やかすことはせず、ただ一言
「翠はうちと結婚するんです〜!!」
と言っていた。
その時は私も「そうだよ〜咲樹と結婚するんだからそんな男子には興味無いもん〜」
と咲樹に同調するようにそう言った。
そうは言ったものの内心めちゃくちゃビビったしほんとに勘違いしてしまいそうだ。
日に日に咲樹への気持ちは大きくなっていく。
最近では毎日沢山話してるし、毎日振り回されてるから、はっきり言って心臓がもたない。
ー今すぐ伝えちゃだめかな……
私は心の中でそう思った。
最近は夜もアニメなどの話メッセージアプリでするようになっていた。
毎日部活に行くのが楽しみになった。
毎日咲樹と一緒にいるだけでその日はいい1日だと言えた。
あと約2年しか一緒にいれないなんて嫌だ。
この先もずっと咲樹と一緒にいたい。
私以外の人を好きにならないで。
ー早く私を好きになってよ。咲樹。
ー私の心は限界に近づいていた。
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