〝1番〟取ったなら。



「............は?」




瑛二に勉強を教えて、テストも終えた数日後。




張り出された順位表に、私は思わず絶句した。




いつも通り、

〝1番〟に名前があると思ってたのに.........




そこに私の名前はなくって。




あったのは、〝麻生瑛二〟の名前。




うまく、状況が読み込めない。




こっ、これは、夢............なの?




そう思っていると。




「......朋ちゃん、僕。〝本気〟出しちゃった」




そこには、いつものメガネを外した、

〝イケメン〟の顔を出した瑛二の顔。




「......っ、え、瑛二っ‼︎」




私は何を思ったのか、

そのまま瑛二の腕を引くと空き教室へと引っ張った。




「へぇ、朋ちゃん、積極的だねぇ」




空き教室に入るなり、

ニヤニヤした顔でそう言う瑛二。




ぅ、なんか、バカにされてる気分............




そんな私のことなんか知るよしもなく。




「〝1番〟取ったなら。何くれる?」




なにやら、

〝ご褒美〟を請求してくる瑛二がいた。



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