〝本気〟出していい?
「あーーっ、やっと終わったぁ‼︎」
瑛二に勉強を教えて3時間が経って。
ぐーんと、腕を伸ばして伸びをする私。
「.........たぶん、朋ちゃんのお陰で頑張れる、」
目の前にいる瑛二は、
そう言いながら、メガネを軽く直した。
やっ、ヤバい!
メガネを治す瑛二にドキッとした私。
...............って、そんなことより‼︎
もう目の前に迫っている、
高校2年生になってから初めてのテスト。
私が勉強を教えているから、
瑛二は、〝最下位〟だけど、なんとか頑張ってくれている。
まぁ、私が教えなくても、
自力で、頑張って欲しいところだけど.........
そう思っていると。
「...............瑛二が1番にならないかなぁ、」
意識せずとも漏れてしまった声。
しっ、しまった!
そう思った時には遅くって。
目の前には、メガネを外して、
グッと距離を詰めてきた瑛二の顔。
その顔にドキドキしていると...............
「朋ちゃん、僕。〝本気〟出していい?」
いつになく真剣な瑛二の顔。
結局、そのあと、
瑛二の〝本気〟の意味が分からなくて。
あんまり眠れなかった.....................
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