第132話 何で俺がこんな不遇な目に…



俺は今、生徒会室に設置された戦闘訓練対策会議の1席に座っていた。


………周りからの視線が痛い。


…………当然か。


だって…







俺が今座ってるとこ、本来会長が座る所だからなぁ!!!!


帰ってこいやぁあああああ!!!!




………ふぅ、落ち着いた。


ほんじゃ会議を始めるか。



そう決意して俺は立ち上がった。




「ええ今から、戦闘訓練対策会議を始めます。今回の対策会議を始めるにあたって質問などはありますか?」


シュッ!!




…………全員手を挙げやがった。



ま、まあ取り敢えず、俺の席から1番近い、大人しそうな奴を当てるか…



「ではそこの人、どうぞ」


「場違いだ後輩、帰れ」




…………クッソキツいやんこの人。


開幕6択を外すなんてさい先悪いなぁ。


そう思いながら俺は、今当てた人をスルーして、その奥にいる人を当てる。



「ではそこの人、どうぞ」


「…………貴方がクラス戦で活躍したことも、これが会長の命令であることも分かった上で言います。僕は貴方が代表であることに強い不安を感じています。僕達をまず納得させていただけませんか?」


「…………どうやって納得させればいい?」


「勿論実力で」




…………まあ理性がある分さっきの奴よりかはマシか。





……………はぁ、マジでやりたくないんだけどなぁ~。


爺にもあの後お願いされちゃったんだよなぁ~。


だったらやるしか無いんだよなぁ~。


はぁ〜仕方ないな、やってやるよ。



そう思って俺は口を開いた。




「おい、どうしても俺と戦いたい雑魚…………人はいますか?」


「今何つったぁあああ!!」




…………うるせぇな最初に当てた人、黙ってろよ。


そう思いながら俺は、このまだ喚き散らしている奴に決闘申請を送った。



「口じゃなくて暴力で来て貰えないと、僕の先輩に対するイメージがうるせぇカスで終わるんでとっとと受けて下さい」


「その減らず口、叩き潰してやる…」




…………お嬢にも言われたが、俺は無自覚で相手をブチ切れさせる特殊能力があるらしい。


不思議だ………俺はただ喋ってるだけなのに、何で怒るんだろ?



そう思いながら俺は、いつもの光に飲まれていった。





★★★★







仮想世界に到着した俺は、早速辺りを見回す。



この場所は…………湖にポツンと浮かぶ小さな島……か?



そして正面を見ると、息を荒げたうるせぇカスが立っていた。



「情けだ、最初の一発は貰ってやる」




それを聞いた俺は世界の中心を展開したのち、身体強化アンド集化を使って光剣を纏めた後、神殺しの一撃に全MPをぶち込んで、うるせぇカスの顔面にぶち込んだ。





ズゴォオオオオオオオオン!!!!!!







★★★★







……………何と言うか目茶苦茶呆気なかったな。


そう思いながら俺は現実に帰還して、うるせぇカスの方を向いた。





プルプルプル





…………産まれたての子鹿かな?


アホ程うるせぇカスの足が震えてるんですけど…


…………マジで?さっきまであんな強気だったのに今程度で俺に恐れをなしてんの?もうビビるカスじゃんお前…



そう思いながら、俺は前に立つ。






「俺さ、ダンジョン潜りたいのに潜れなくて死ぬ程ムカついてるんだよね。だから何時もの俺よりかなり機嫌が悪いんだよね、分かる?お前?」


「……………すみません」


「謝んなくていいよ、俺も今思えばかなりやりすぎちゃったと思うし………ごめんね?」


「とんでもないです…」


「まぁ、そういうことで俺ダンジョンを我慢してお前らに付き合ってるの。だから文句とか最低限にしてほしいんだよね?分かったかな?」



……………コク




そしてここにいる全員の頷きを確認した俺は、続きを始める。



…………さっさと終わりたい。




そう思いながら。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る