第127話 十三魔公襲来
十三魔公。
十三人の魔族で構成された、魔王軍最強の十三人。
………ちなみに、人表記なのは原作由来だ。
まあ、それは置いておくとして…
この十三魔公は、俗に言う四天王みたいな立ち位置の奴らである。
そして全員アホ程強い。
そう、とても強い。
…………ん?じゃあ何でこいつ等は、勇者に突撃してこないのか?だってぇ?
説明しよう!!!!
まず、勇者には《聖域》というスキルがある。
そしてこのスキルの効果なのだが…
ズバリ!!自身が勇者の職業を授かった場所を中心に、円状の魔族弱体化フィールドを作るという効果である。
そう、つまり俺が職業を獲得した、あの結晶が中心である。
そしてこのフィールドは広い、とにかく広い。
日本列島を覆うのは当然、地球全体に広がっている。
そして魔族は、このフィールドの中心に近づけば近づくだけあり得ない程の弱体化を受ける。
そう、この効果のお陰で主人公こと勇者は、開幕成長しきってない状態で殺されることが無くなるという訳である。
…………ただこのフィールドは永続ではない。
光が年を取るにつれて、範囲と効果が弱くなっていってしまうのである。
そしてついでに、魔族の根城であるオーストラリアには、この効果は及ばない。
魔族の弱体化を無効化する結界が貼られているからね。
ただ、この結界を貼る代わりに、魔王はオーストラリアを動けない。
これが今の世界の現状である。
つまり、魔族はオーストラリアに引きこもってるはずなのだ。
間違えても十三魔公が出てくる場面じゃない。
ただ今回は何故か来たみたいだな。
反吐が出る。
……………っと。
そんな事を考えていたら、爺の待っている噴水にへと辿り着いた。
そして俺は爺に声をかける。
「よぉ爺、緊急事態らしいな?」
「………来たか」
「俺も戦うのか?」
「ああ、ワシの力じゃちと役不足でな。お主が必要なのじゃ」
「………何言ってんの?俺の全力の一撃より爺のデコピンの方が強いんだよ?分かってる?」
「威力の問題じゃない、お主にしかできない事をして欲しいのじゃ」
「…………分かった」
俺は渋々爺の話を飲み込み、訪ねた。
「で、肝心の十三魔公はどこにいるの?」
「…………この噴水に別世界を作り出して引きこもっておる、行くぞ」
「………ああ」
…………別世界か。
このダンジョンウォッチの決闘機能に応用されている技術であり…
即座に異空間を創り出すというスキルでもある。
そしてこの別世界を異次元のレベルで極めてる十三魔公なんて一人だけだ。
創造主エルゴーン。
…………だからか。
俺は呼ばれた理由に納得し、別世界に入ろうとした。
すると…
ガシッ
何故かいるエルフに止められた。
「離して」
「やじゃ」
「何でですか?」
「死に行くようなもんじゃぞ、今すぐ引き返せ、まだ間に合う」
「………てか俺が駆り出されるレベルで人居ないのどうにかならなかったんですか?」
「仕方ないじゃろ、そこを狙われて来られたんじゃからな」
「勇者来てるのに?」
「ぐうの音も出ないがの、みんなダンジョン攻略しに行ったんじゃからな。サボってる訳では無い」
「………勝算は?」
「お前を守りながらじゃ戦えないのじゃ」
そうこう言い争っていると、爺が俺達に振り返り…
「はよ行くぞ」
と急かした。
そしてエルフは渋々手を離し…
「何を考えているのじゃこの剣聖は…」
と呟きながら、別世界に入って行った。
…………爺報連相忘れてるのか。
伝えておくべき事は伝えておこうよ。
と呆れながら、俺はエルフの後に続いたのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます