第121話 夢みたいだろ?現実なんだぜ?



…………始まった。


そして俺達は、何処に現れたのかを探るため、しばらく辺りを見回していると…





 

ズドォオオオオン!!





爆発音に似た轟音が、辺り一帯に轟いた。






そして俺達は、反射的に振り返る。



するとそこには…







真っ赤な地獄が広がっていた。






   



★★★★






 




……………この世の中には、普通スキルや派生スキル以外に、覚醒スキルというものが存在している。




そしてあのクソエルフが得意とするチートスキル…




色魔法。



………まあ、色魔法というのはあくまでカテゴリーであって、名前ではない。



具体的には、青、赤、黄、緑、橙、紫、藍がある。



まあ、要するに虹色だ。


それぞれ青魔法、赤魔法という感じでステータスには書かれている。




そして効果としては、その魔法に対応する色の霧のような雲を発生させ、それをその魔法の色のものなら、何にでも威力ごと再現させてしまうというものである。



赤なら炎を呼び出したり、黄なら光を生み出したり。



ズルである。




ついでに言うとMPを消費しない。



消費するのは集中力など気力のたぐいである。




ハッキリ言おう。



強すぎる。






…………まあ取り敢えず効果は置いて置くとして。



これが1番重要なことなのだが。



実は色魔法は、あのエルフの特権という訳では無い。



全人類共通で習得チャンスがある。




…………だがこの世界において、色魔法を表沙汰で使うのは、奴だけである。





………話は戻るが、習得チャンスは誰にでもあると言ったな。




これは本当だ。







原作で、『色の試練』。


プレイヤーからは、カラーイベント、略して辛いべ、と呼ばれていたイベントである。




そしてこのイベントに挑むには、ある事をしないといけない。




それは…







虹、もしくはこの世界を見て、心から美しいと思うということである。



そして虹を見た人はランダムな試練へ。


そしてこの世界を見た人は、それに対応する色の試練に直行する。



そしてそこで無事試練をクリアしたら、晴れて色魔法獲得である。



ちなみに、この試練は7回連続で行われる。


順番は特になく、強いて言うなら直行の場合は、それに対応する色の試練から始まるということだ。




そして7回連続と言ったな。




…………ああ、諸君らの思う通りだ。




全ての色魔法を獲得できる?



運営のアンサーはできる!!だ。






ただし!!!!


色の試練は人生で一回しか挑戦できない上に、試練の内容はクソ難しく、この世界でコンプしているのはあのエルフだけというレベルなのである。



…………そして色魔法には明確な弱点がある。



それは…





弱点の色に、自身の色魔法をぶつけたら、その自分の放った色魔法の想像物が、強制的に自身ぶつけられる上、自身のMPが0になるというアホのようなデメリットがあるのである。




…………そして1つ言い忘れていたのだが。



色魔法をコンプすると、このデメリットをなくすという派生スキルが手に入るのである。





…………だからなんだよ。


表沙汰でこの魔法を使うのがあのエルフしか居ないのは。








………まあ要するに。




あのエルフの特権だったて訳だ。





…………まあ、他にも効果はあるんだが。




ひとまず置いて置こうか。






……………だって。






今、眼の前に…






エルフやつが立っているのだから。








「少しお喋りしない?今いいネタがあるんだ!!」


「…………小僧」


「………何ですか?」


「ワシは今回の格上戦をやるにあたって、1つ決めておいたことがある」


「ナンダロー」








そして俺は、半ば分かりきった顔で空を見上げて返答した。


………そしてエルフが口を開く。




「お前は消す」


「光!!出番だ!!」





そして俺の合図で、光がエルフに、勇敢にも向かって行った。




そして…






「………最近の若いもんは、老人を舐めておるな」




 

そうあのエルフが言った瞬間…






この仮想世界に…

















虹が架かった。




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