第120話 舐め過ぎたな、俺を




俺は、何とも明るい日の光を浴びながら、仮想空間で他の研修に来た生徒と共に、時が来るのを待っていた。





…………そして俺は今、凄く微妙な顔をしていると思う。




………何故かって?



それは…








何かVIP用の観覧席から、俺を見下ろす師匠がいるからだ。



帰れクソ爺。







………おい、何でそんな笑顔で俺を見つめる?



……しかも手話をし始めた。



何でだよ…



えー何々?あの頭に乗った老害をぶっ飛ばせ?


お前をぶっ飛ばせばいいのか?







そしてそんな事を考えながら格上戦が始まるのを待っていると…





パンパカパーン!!!!






気の抜けたファンファーレが鳴り響いた。




そして放送用のスピーカーから…





『今から!!!!生徒VS最強のエルフによる格上戦が始まるぜ!!!!』




ルール説明が流れ始めた。





『まず!!!!普通にやってもあのエルフが勝つに決まっているので、自身のステータスを制限するデバフを付与する腕輪!!!!その他諸々の制限デバフをかけられた状態であのエルフは始まるぜ!!!!』




当然だな、普通にやっても勝てるわけ無いし。




『そして効果時間は一律20分!!!!これが実質的なタイムリミットだぜ!!!!』




…………つまり20分経てばゲームオーバーということか。



やっぱギリギリだなぁ…




そしてそう思ったことで俺が弱気になっていると…




ポンポン



「緊張しちゃったかい?無神」


「………んなわけねーだろ光、誰に物言ってる」


「無神天人君だね!!」


「…………そいつが緊張するような奴に見えた?」


「全く」


「へー、解ってるじゃん」




バチン!



「頼りにしてる」


「こちらこそ」




そして俺達はハイタッチをして、信頼を確かめ合い、並んだ。




若干他のパーティーメンバーの視線が殺人鬼だが、気にしない。








………そして、しおりにも乗っているためかなり簡潔になったルール説明が終わり、ついに…







『では!!開始!!!!』








始まるのだった。

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