第119話 帰還。そして明後日に挑む






…………俺達はあれから、二時間程をかけてインベントリから水を摘まみだし、宿に帰ってきた。





長かった。


二度とやりたくない!!!!





………まあ、今日の晩御飯旨かったからチャラにするか。



寝よう。





そう思った俺は、このベッドに倒れ込んだ。



そして…





ボンッ




勇者様もおねんねの時間らしい。



そして無駄に高性能なこの部屋から明かりが消える。





………すると勇者が話しかけてきた。




ピカッ!





……………そして無駄に高性能なこの部屋に明かりがついた。



「雰囲気が…」


「仕方がないだろ諦めろ」




そう俺は勇者に諦めを促し、聞いた。




「何を聞きたい?」



「………決まってるじゃないか。あのエルフとか、曖昧さんから告白されたとか曖昧さんに告白されたとか曖昧さ…



「オーケーわかった。まず告白については優柔不断な俺は返答を見送る」


「人はそれをヘタレという」


「知ってる。で、あのエルフは明後日俺達と戦う人だ」



「………このしおりにある、格上戦って奴?」


「うんそれ。俺達研修生全員で一人に挑むんだ」


「…………あの人クソ強そうだったけど?」


「うん、だから勝てない」


「…………勝算は?」


「俺個人との完璧なサシ、ワンオンワンに持ち込めば8割」


「乗った。何すればいい?」


「…………簡単とは言わない。ただ最低6秒を稼いで欲しい」


「………でそっからワンオンワン?」


「そうだ」


「………いいよ、命張って稼いであげる。でも…」


「………でも?」


「ご褒美………撫で撫でハグハグを1摘まみ…」


「つまり頭を撫でながら抱き締めればいいのか?」


「Yes、そうだよ」


「…………安上がりだな。お前」


「………フフっ、本当にやって欲しいことは自力で勝ち取るのが僕の主義なんだ。ご褒美という名のズルは良くない」


「お前のプライド的に?」


「……解ってるね。無神」


「ああ、何ヵ月一緒にいると思ってんだ?」


「前世を含め忘れてるよ?」


「……………わりぃ、俺自分の前世知ってるからお前がいなかったことは分かってる」






俺がそう言うと、光は口を抑え…








「ブフッ!無神ってホント面白いよね!」


「…………だろ?」





そして俺はなんとも言えない表情になりながら…




明日を待つのだった。







★★★★

明後日









…………時は経ちまくり、エルフとの戦の日が訪れた。



そして…




「…………おいおい爺、何でVIP待遇でここに来た?」





…………そう俺は今。








…………爺と向かい合っていた。





すると爺が一言。




「だって…」


「だってぇ?」


「夏休みなのに会いに来ないんだもん!!!!」


「………………」






俺は、絶句した。

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