第117話 これは………イソギンチャク?



俺は今、あの宝箱のど真ん前に立っていた。



すると…




「………もう驚かないと慢心してた自分が怖いわ」


「分かる」


「何かもうここまで来たらどうでも良くなってくるよね」


「僕らがクラス戦の少し前に、3人で潜ってた時も、あからさまに隠し部屋に案内してるときとかあったし。何処から仕入れてるんだい?その情報。もしかして職業?」


「…………ああ、まあそんなもん」


「違うんだね!」




…………無駄に鋭くなってきたなこの勇者。


………てか俺、皆からそう思われてたんだ。


まあ、自覚は何となくあったけどさ…






………………もういいや、とっとと開けよう。




そして俺は、宝箱を開け…




中からイソギンチャクを取り出し…



その瞬間、俺達はボス部屋に転送されるのだった。










★★★★明るき奈落 5階層





明るき奈落の本来の5階層のボスは、ムール貝の様なものである。


………だが、このダンジョンには、例外を発生させることができる。




…………そう、あの宝箱からワープしてくると。

















ボスがクマノミに変わる。




…………イソギンチャクだと思った?


残念。


イソギンチャクは取り巻きだ。





そして俺がそんな事を思っていると…








キュキィイイイイイイ!!!!




クマノミが、水中でうるさく鳴いている。



………水中なのにうるさいなぁ。



やっぱ耳栓してくれば良かった。


……………いやでもそれすると、俺が未来視持ちみたいな扱いされそうだからな。


一長一短か…






そして俺は、白夜を構える。






…………ああそうそう、これは言い忘れてたことなんだが…




この水中において水属性は…











超強化される。


具体的に言うとするなら…


攻撃範囲の拡大。


威力向上。


消費MP軽減。



他にもあるがこんなところだ。




そして俺がこの解説をしたことによって、こう思う奴も居るだろう。





何で道中水属性使わなかったんだ?


って。





…………まあ、使わなかった一番の理由としては。




相手の水属性耐性が高すぎるせいだ。



いくら高性能でも、ワンパンできなければ時間がかかる。



それは良くない。




なので俺は、道中使わなかった訳だ。













…………そしてあらかた復習し終わった俺は、このクマノミに目を合わせ…



一瞬で終わらせるよ!!!!


とアイコンタクトで教えた。





…………テンション上がってきてきたぁ!!!!




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