第112話 カチコミに来た女王



次の日




昨夜俺と光は、取り敢えずアホ程眠かったので寝た。


なのでまだ俺がベッドの下にいた理由と説明は、残念ながらまだしていない。



………嫌だってマジで眠かったし。


仕方ない仕方ない。






………そしてそんな事を考えていた俺は起き上がった。



………うわっ、まだ5時じゃん…


起きるんじゃ無かった…




…………でも目は覚めちゃったし。



暇潰しに散歩でも行くか!!!!





そして俺は意気揚々とトイレで着替えを済ませ…


この部屋の外に出て行くのだった。






★★★★







ワイワイ!ガヤガヤ!アーダコーダ!





…………何だよ。


折角人が気分良く散歩しようとしてたのに。



何かこの宿の受付もといロビーで何やらもめ事が起こっているようだ。



ここまで言い争いの声が聞こえてくる…




…………ダル。



…………何食わぬ顔で横を素通りしよう。



そしてそう思った俺は、一切歩みを止めること無く歩いて行った。




そして…





『いやだから!!ここに無神という日本人がいることは分かってるんです!!!!会わせて下さい!!!!』


『ふざけないで下さい。このホテルはよその国の人を重点的に取っています。なのでそんな事をすれば外の国からのお客様が減ります。ついでに秘守義務もあるので、そんな事を大声を出して言わないで下さい』


『くっ!』





…………何か頭のネジがフライアウェイしてる奴が来たみたいだな。


同情するぜ、受付嬢。



…………そう、俺の代わりに犠牲になってくれ。







………そして俺は、この場を奴の視界に入らぬように忍び足で歩いた。




はずだったのだが…















『………ん!?この足音!この呼吸のリズムは!無神君だね!!!!』






/(^o^)\



………詰んだ。



………そうだ、そういえばこの無敗の女王、アリアーネはイカれた五感を有しているんだった。


………迂闊だったな。


部屋で大人しくしとけば良かった。



そんな事を考えながら、俺は返答する。



『ヒトチガイデス』


『無神だぁ!!』






…………多分俺の名字が無神なことを知ってるのは、昨日黒椒が俺の事を無神と呼んでいたからだろう。


多分。




…………そして俺は、そんな現実逃避をしながら…




仕方なく、この図太さの化けもんと共に…



散歩を開始するのだった。








★★★★





日本とはまた違う暑さに苛まれながら、俺は朝の涼しい風を浴びつつ、最悪な気分で人工川の横にある道を歩いていた。




………何故最悪な気分なのかって?


決まってる。


それは…







『ねぇねぇ!!!あれ本当に初プレイだったの!?』


『………ああ、そうだな』


『え!?スゴい!!!!』






…………これから仲間になることを考えて、最低限親しくなっておこうと思い続行した散歩だったが…


悪手だったな。


死ぬ程ダルい。


…………いやまあ、褒めてくれんのは嬉しいんだけどさぁ。




…………初対面の時と全く違う対応で疲れる。


………何か瞳には尊敬が浮かび上がってるし。





………流石自分が負けた時にしか興奮を感じれないHENTAIなだけはあるな。





帰るか。




そして俺はいきなり翻り、帰路に着いた。


そして…






『ん?もう散歩は終わり?』


『ああ、終了だ』


『そ………じゃまたね!!!!』


『さいなら』







そして俺は、アリアーネと別れ…






一直線で宿に戻って行った。

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