第111話 最強のエルフ


あれからかなりの時間が経ち、今はもう午後11時だ。



…………暗い。






………いやまあ、俺がいるのも関係しているだろうけど。



だって少量の街灯の光と、月の光はこの部屋に入ってきてるわけで…



…………まあ、余計な事は考えずに待ちますか。







そう思った瞬間だった。




「んー?」





光が起き上がったのは。




そして…







俺もベッドの下から這い上がる。




すると目の前には…






「……………お主の反応は感じ無かったのじゃが………何者じゃ?」




………のじゃロリエルフが、俺のど真ん前の窓枠に、月の光に照らされながら座っていた。




………絵になりそうな美しさがあるな。


………まあいい、話しかけるか。





「おい、お前こそ何者だよ?」


「ん?ワシか?ワシはダンジョンが出現した当時から、職業エルフの弓使いの効果により現代まで生き延びたただの幼少じゃ」


「たった一言で矛盾してるなぁ?それがお前の年の功かぁ?」


「…………うざいの」







そして俺達が楽しく談笑していると…





「………僕の事忘れないでくれるかな?」


「…………あ………説明後でもいい?」


「最後にはしてくれるんなら僕はそれでいいよ」


「そっか、ありがと」



そして俺は、またこの幼少に向き直った。


すると…



「おいこら待て!!ワシが話しをしたいのはそこの勇者じゃ!!」


「………警察呼ぶ?」


「黙ります」


………さっすが、法律を絶対として受け止めているお方なだけあって、警察がよく効く。



…………まあ、それだけ大事な法を破ってまでこの勇者に会いに来たのだから笑うしかない。








…………ちなみに、これは原作の話なのだが。



実は光は、中学生の時からこのと知り合いになっている。


そう、この研修で。




………だから原作通り事が進むように、取り敢えず全身全霊を持って行き先をロイナルにしたって訳だ。



…………まあ、原作で光がこのエルフとダチやってなかったらマジで詰んでても可笑しくない場面もあったからというのもあるか…





まあ、簡単に言うと…


俺はこのエルフに会いに来た訳である。





「…………で、どうやって隠れてたの?」




…………さっすがエルフさん。


好奇心が爆発している。


まあ、適当でいいか。



「お前が雑魚かったからだろ?」


「…………おいクソガキ。おいたが過ぎるなぁ?」


「へっ?」


「………何を驚いている?」


「嫌だって。僕より圧倒的に背が低いのに…………クソガキだなんてwww」




「…………後悔させてやる。」



………よし。



これで友達フラグは十分かな。




そう思いながら、俺はあのロリを、窓から見送ったのだった。




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