第109話 蛤

日の降る浜辺第5階層







何て事もなく順調に俺達はボス部屋に辿り着いた。


…………足の裏が焼ける。




俺達でバーベキューでもするつもりなのかこの浜辺は。


てか浜辺の癖に海が見えないんだけど…


バグですか?




そして俺があまりの熱さにぶちギレていると…




「無神?熱さで頭やられたの?」


「おう。今のお前の発言でクールダウンしてきたところだ」


「おお!それは良かったわね!」


「……………早速オーバーヒートしそう」



そして俺達は、少し休憩を挟んでから…





バァアアアアン!!!!





………相変わらずだな。




そして俺は、遂にこの扉の音に慣れてきた事を実感していると…





ンゥウウウウ!!!




…………でっかい蛤がお見えになった。


そして呆けている俺を無視して、境花が指示を出した



「じゃあ、作戦通り魔法で刺激して、弱点晒した所で前衛班がダメージ稼いで!!!!」


「お姉ちゃんは分かったぞ!」


「ああ!!!!任せてくれ!!!!」


「ホッホッホ!お味噌汁にぶちこんで差し上げますわぁー!」





………皆特に何も思わないんだな。


…………白夜撃と。




そして俺は白夜を10発ぶちこむ。





そしてお嬢、始崎、浪江の3撃で、遂にあの蛤の殻が空いた。



そして…






「神速抜刀黎明期!!!!」


不滅の剣フランダルグ、招来!!吹き飛べ!!」


「ただのパァアアアアアアアアアンチ!!!!」




シンッ!シュタタタタタタン!!!!



ボガァアアアアアン!!!!ジュワァアアアアン!!!!




バチィイイイイイイイン!!!!







………決まったな。


そして蛤が消滅する。





「お疲れ、皆」


「フンッ、まだ全然疲れてないよお姉ちゃん。舐めないで」


「……………ごめん」


「フフッ、いいのだー」






…………やっぱりこの人と話すの怖えぇええ。


寿命が削られて行くのを感じる。






そして、俺が人生の鉛筆削りにかまけていると…




ガシッ




………浪江に襟を捕まれて、引き摺られていく。



…………俺なんかしたかな?



そう思いつつ、大人しく引き摺られていくと…




階段が見えてきた。


なのにも関わらず浪江に減速の前兆が見られない。


むしろなんか加速してる気がする。





…………え?冗談だよね?



このまま行く何て言わないよね?




そして俺がそんな風に現実逃避していると…





ズッズッズッリリリリリリリリリリリリリ!!!!!!!!















痛い!!!!痛い!!!!死ぬ!!!!



何で!?何で階段に到達した瞬間ダッシュしてんの!?


俺の背中が悲鳴をあげてるよ?


それでもいいの?








…………そして俺はあと二分ぐらい。


階段を引き摺られていくのだった。




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