第6章 水上最終防衛ライン兼拠点…ロイナル

第104話 空から見える景色




あれから10分程歩いたところで、目的地と思われるアホ程広い…………飛行場みたいなとこに着いた。



………これ滑走路かよ。


何で学校にあるんだよ…



……………気にしない方向で行くか。





そして俺達がジェット機に乗り込もうとすると…



「私の分まで楽しんでてって下さい!!!!あとお土産は本当に要りません!!!!」




委員長がお土産欲しいアピールをしてきた。



これは何か買ってやらねば…




…………熊の木彫りの彫刻にしよう。



そして俺がそんな事を考えていると…



「ちょっと無神、早く行ってよ。つまってるから」


「え?ああ…すまん境花。すぐ行く」




そして俺が、このジェット機に入った瞬間…





「おっはよ!!!!お姉ちゃんだぞ!!!!」


「無神君、生徒会に興味はありませんか?」


「おっほっほ!!ロイナル………楽しみ過ぎて眠れませんでしたわ!!!!」


「………へぇ、ロイナルの中学っておっきなぬいぐるみとか売ってるんだ………へぇ」


「天人!!この前のバトロワ、中々に楽しめたよ!!でも次は負けないから!!!!」










…………オールスターズかよ。




曖昧にお嬢、黒椒に浪江まで…






そして生徒会長あんたは何でいるんだよ…



この研修あるの1年だけだろ…





そして俺がそんな事を考えながら絶句していると…




「………ああ無神君、私が何でここにいるのか気になっている顔をしていますね」


「……………何でいるんですか?」


「権限」






…………これが権力かぁ。


世界って汚いなぁ。





………まあ、目的地のロイナルは綺麗なとこらしいし、それ見てとっとと浄化されよう。




そして俺は若干の諦めを感じつつ、念願の窓際に流れるように座った。


すると…







「………ねぇ無神。隣いいかな?このぬいぐるみ一緒に買いに行こ?」


「お姉ちゃんの横がいいよね?」


「生徒会に興味はありませんか?」


「ちょっと無神、私にあのクソゲー(デッド……地獄絵図)のコツを教えなさい。序盤のボスに今739連敗をかましていますの」


「無神の横はこの僕のものだよ?」


「天人、幼馴染みの私が横にいると安心しませんか?」


「私はどこでもいいや」


「無神、膝の上乗っていいかしら?」










……………一斉に喋るな。


俺は聖徳太子じゃ無いんだぞ。




…………まあ、別に全部聞き取れたけど。



ロックオンで足音を聞いて全員の位置を特定し、壁越しに弾幕通して全滅させるよりよっぽど簡単だ。







………てか境花、流れるように俺の膝に乗ろうとするんじゃない、他の奴の視線が痛いんだよ。




………居心地悪いなぁ。






…………そうだ!!!!




「江三子先生、隣よろしいでしょうか?」


「却下、大人しく選びなさい」






この鬼がぁ!!!!


何で隣に座りたがってるのか分かった上で却下するとか人の心をどこへやったんだこのクソババa…



「………何か思った?」


「イエナニモ」



…………流石に分かるかぁ。




………てかマジでどうしよう。






………じゃあ。




「俺の横には誰も座るなぁ!!!!これは決定事項だぁ!!!!」






………やはり理不尽な状況には理不尽に限る。


俺はこれで前世をやりくりしてたんだ。


通用しない訳がない。




















……………と慢心していた。




「………つまり、誰が無神の膝の上に座るのかってことですか?」


「何言ってんのお前?」


「………そうか!!そういうことか!!!!」


「納得すんなアホ」


「よし、そうと決まれば…」







「「「「「「「「最初はグー、ジァンケェン…」」」」」」」」








「「「「「「「「ポン!!!!」」」」」」」」














★★★★









あれから少し時間が経ち、ジェット機が遥か高くに到達した頃…



俺は外の綺麗な海を堪能しながら…




質問をした。




「………なぁ始崎」


「何ですか?」


「………何でお前もじゃんけんしたんだ?」


「………困ってそうでしたから、助けになろうかと」


「………そうか………いやぁマジで助かった。ありがとう」


「どういたしまして」





そう!!何を隠そうこの始崎唯菜様は非常に運がいい!!


聖女だからとかではなくマジで生まれつき運がバグっているのだ。


うらやましい。






…………まぁ、それはいいんだけどさぁ。



…………何で膝乗ってんの?



……………頼んでみるかぁ。




「………なぁ、助けて貰ったとこ悪いんだけどさぁ………膝から降りてくんない?」


「………や、です」


「…………あと2時間これなんだぞ?」


「構いません」


「映画見にくいんだけど…」


「勝者の特権です。それに別に外見てるじゃないですか?」


「………いやぁまあ、そうなんだけどさ…」


「………歯切れ悪いですねぇ。もしかして重かったですか?」


「そんな事はないぞ?普通に軽い」


「…………そうですか」


「ただ………その………何だ…」


「何ですか?もっとハッキリ言って下さい」


「お前邪魔」


「フン!!!!」







バゴォン!!






………肘撃ち顔面は………エグい。




そしてこいつ降りてくんないし…


何か拗ねちゃったし…





………ちゃんとハッキリ言ったのに。


乙女心って難しいなぁ。


随時学んでいかないと…







そして俺は向上心を高めつつ。




このフライトを全力で楽しむのだった。








…………ビーフオアチキンってマジで聞かれるんだなぁ。


前世でも飛行機は経験しなかったし…




楽しいぜ!!!!






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