第103話 皆各々の目的地に………え?

次の日






俺はしっかり朝7時40分に教室に着き、皆を待っていた。


………しっかし待つって新鮮だな。




だっていっつも俺最下位だったし。




…………暇だなぁ。






そして俺が暇を噛みしめながら静かに待機して5分が経った頃…





ガララララララ




「おっh……………無神に負け………た?」


「おいこら何ここ最近で一番の絶望感じてんの?俺だって早い日ぐらいあるだろ」




境花様がご登校なされた。


…………しっかしやっぱ早いなぁ境花は。


原作通り時間にルーズだし。


ああ、原作通りって良いよなぁ。




という事で俺の職業消し飛べ。







そして俺が自身の職業を呪っていると…




「やあ!今日もいいあ………さ…」


「おはようございます。…………あれ?今日はかなり早いですね。何食べたんですか?」


「こら始崎、流れるように毒を吐くな。地味に効く」


「毒じゃないです皮肉です」


「どちらにせよ効くんだが?」


「やーい無神のお豆腐メンタル」


「………そんな脆いか?俺のメンタル?」


「「「いや全く」」」


「おい境花、お前にそれを言う資格はない」


「事実は仕方ないと思わない?」


「思わない」




そして俺達が5分ぐらいワイワイ騒いでいると…







「でね、そのハムスターが………あれ?あれ委員長じゃない?」


「………あ!?本当だ!!」


「…………おはよ…」


「委員長!!!!何でそんなとこで縮こまってんの?こっちおいで」


「………恐れ多いです」



何か教室の入り口で縮こまってる委員長を発見した。


何か足がガクブル震えてるけど何かあったんかな?



聞いてみよ。



「おーい委員長、何でそんな足を震えさせてんの?」


「あ…………あの………それは…」



そして委員長が何やら口を開いた瞬間…



「私が説明するわ」


「え…………江三子先生!?」


「この子は左足をダンジョンの階段で転けて折っちゃったから行けないわ。だから今日この子は、貴方達のお見送りとお土産を指定しに来たのよ」


「あっ、お土産の下りは嘘です」


「ほーうなる程。で、お土産何が欲しいんだ?」


「要らないです」


「オッケー、カッコいい竜のキーホルダーね!!」


「マジで要らないです」





…………ちぇ、あんなカッコいいのに。




そしてお前が買うなら仕方ないなぁ、という流れで竜のキーホルダーを買おうとしてた俺の夢はあえなく散った。




………悲しい。





そして俺がそんな事を思っていると…






「じゃあ、お迎えのジェット機が来てるから早く行くわよ」


「…………え?出発式とかやんないんですか?」


「向こう着いたらそんなの有るわよ」


「なるほど…」


「じゃあ、無駄話も何だし、早く行くわよ」


「イエッサー!!!!」





そして俺達は、先生の後に続いて行くのだった。









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