第102話 新たな門出をどうたらこうたら



………俺は今…………死ぬ程退屈だ。


何故だって?それは…





「これにて1学期は終了です、ですが終わりがあれば始まりがある。新たな門出なのです。なので皆さんは、この夏休みハメを外し過ぎず…」







長い、くどい、30分たった。













最後になりますが………からな。




もうかれこれ1時間ぶっ通しで喋ってるけど喉渇かないのかな?


凄いね校長、見直したよ。


だからはよ終われ。





「なので…………え?長い?終われ?えーと、でわ終わります。気をつけっ、礼。ありがとうございました」






…………先生方から苦情入ってるし…


予定がずれるんだろうな…これ以上は。


自業自得だざまぁ。






そして俺が愉悦を全身で感じていると…





「時間が無いのでマキで行きます。生徒会長の七夢です」







……………生徒会長じゃん!!!!


テンション上がるぅ!!!!


そして校長は死ね。





「まず、明日から始まるS限定の研修ですが、行く人は教室に、朝8時までに着席しといて下さい、貴方のクラスの担任の人が来るので、それまで静かに待機お願いします」





くぅうう!!!!


簡潔だぁ!!!!


校長はもう少し見習った方がいいぞ。




「………ええ、これで終業式の全日程が終了となります。最後に、無神天人君は生徒会室にお集まり下さい」










……………え?何で?









★★★★





コトッ



「お茶、こちらに置いておきますね」


「ど…どうもご丁寧に…」


「そんな畏まらなくても大丈夫です。私が個人的にお呼びしたのですから」


「は……はい」







俺は一体何をやらかしたんだ!!!!


生徒会室にサシで話す事になる程の事はした思い出が無いんだが…




…………取り敢えず、目的を聞くか。




「何で俺を呼んだんですか?」


「ん?ああ単刀直入が良い方ですか…………結論から言いますと、生徒会に興味はございませんか?」


「…………もしかしてスカウト?」


「そうです。それに貴方部活入っていないでしょう?」


「まあ、そうですね…」



ダンジョンに潜りたくてそんな暇無いなんて言えねぇ…


てか生徒会入りたくねぇ…


俺はダンジョンでワイワイガヤガヤしたいんだ!!!!


前世と同じ生徒会漬けの日々なんてごめんだね!!!!



…………でもどうやって断ろ。


普通に断るか。




「あの、非常に申し訳ないのですが………辞退させていただきたく…」


「でも貴方部活に入っておりませんよね?暇ですよね?」


「だ…ダンジョンに潜りたくて…」


「そうなんですか?物好きなお方ですねぇ。そしたら放課後一緒に潜るので入っていただきませんか?」


「………嫌ですよ。減るじゃないですか潜る時間。…………てか何でそこまでして俺に拘るんですか?」


「まぁ、色々ありますがぁ…一番は貴方を生徒会に入れたら問題児が大人しくなりそうな………気がしたから?」


「なる程、面倒事オールで俺にぶん投げる気ですね分かりました。ではこれで」


ガシッ!


「待って下さい!!!!」


「……………後輩になにしてんすか?」


「足を!!つかんでいます!!」


「……………引き摺りますよ?」


「どうぞご自由に!!」


「あっ、良いんですか?じゃあ行きましょう」


「……………え?」





ズリリリリリリリリ!!!!




「痛い!!痛いです無神君!!」


「じゃあ離せば?」


「……………もしかして貴方思ったよりエグい人ですか?」


「そう思うなら離してくれてどうぞ」


「嫌ですよ」






ズリリリリリリリリ!!!!




「酷い!!酷いです無神君!!普通はこんな事しませんよ!?」


「鏡見てくれてどうぞ」




ズリリリリリリリリ!!!!







バサッ!





「………もう、無理………痛い」


「あっ、やっと離れた」




よし、これでやっと帰れるな!!!!



「ああ、待ってぇ」


「じゃあ生徒会長!!!!お元気で!!!!」


「ああ…」








そして俺は、旧寮に向かって全力疾走するのだった。


明日の準備をするために…

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