第95話 こいつ………近接のが得意なの?
今、俺は絶賛ピンチだ。
何故かって?
それは…
「喰らえ!!!!」
ブンッ!!
「っぶな!!あたんじゃねぇか!!」
「死ね!!!!」
この右眼にカッコいい眼帯をしたスナイパーに、近接戦を仕掛けられたからだ。
迷いなく銃剣を使ってくる。
そしていちいち扱いに手練れ感が出ている。
冗談じゃない。
お前誰だよ。
………んでもってこいつスッゴく身のこなしがいい。
まるで接近されることを前提としたスナイパーみたいな手練れ感がある。
洋画にこんなのいなかったっけ?
……………まあいいや、俺も折角MP回復したし、派手に行こう。
そして俺は、世界の中心と現剣無双を展開し、白夜を放ちながら…
「ロストマジック!!!!」
ロストファイア、ロストアクア、ロストトルネード、ロストサンダー、ロストグラス、ロストアイスその他諸々を同時に放つ無属性魔法の新技を、俺はこの手練れにぶちかます。
タラララララララン!!!!
………やっぱこの魔法見た目キレイだよな~と思いながら、自分の魔法に見とれていると。
スタッシュタッスタッダッタッタッタ!!!!
エグい身のこなしで全部避けて接近してきた。
冗談だよな?
そう思っていると…
バァアアン!!!!
シュッ!!
あっぶな!!!!
普通に銃も使って来やがったなこいつ。
しかもこの距離で正確に脳幹狙って来やがった。
避けてなかったら間違いなく脳幹に命中していたであろうだけに…………恐ろしい。
………そしてそう思った時、俺は後ろからとんでもない気配を感じたので、俺は思いっきり横に跳んだ。
シュッ!!!!バシュッ!!!!タッ!!!!
ッチ!!!!反応が若干遅れた!!!!
まさか跳弾を足に喰らうなんて…
予想外過ぎるぜ!!!!
そして俺は、足を労りながら白夜を撃ち、距離を取る。
普通にピンチだ。
だって距離取ったらまた狙撃の機会を与えることになってしまうから。
でも近づいたら、あの銃剣捌きで足をケガしたおれはなす術なく退場だ。
………詰んでね?
そして俺がそう思っていると…
バシュウウウウウン!!!!
次弾だ!!!!
ッチ!!!!仕方ない!!!!《大祭結界》!!!!
そして、結界が弾の威力を掻き消す。
…………だが、不味い状況であることには変わりはない。
どうしよう…そう思った瞬間だった。
文字通り、あの手練れのスナイパーが消しとんだのは。
バチリィイイイイイイイイイイン!!!!!!!!
………聞いたこと無いような音が出てたな。
そう思っていると、スナイパーを消し飛ばした御本人様が話かけてきた。
「無神、これで3人殺ったわ、MP寄越せ」
「じゃーん!!助けてあげました!!褒めろ!!」
「………ぶれないなお前らは」
俺はそう思いながら、この長かったバトロワが終わった事を本能的に理解した。
俺達の勝ちだ!!!!
………………まあ、それはいいのだが。
………この終り方はねぇだろ。
そう心の中で文句を垂れ流しながら、俺はいつもの光に、飲み込まれていった。
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