第93話 かけつけ一発


光が最上階でビームを撃たれる1分前







俺は今、全力疾走で光がいるであろう所にダッシュしていた。




………何故かって?



それはついさっき、浪江と共に沸いてきた雑魚に質問して手に入れた情報なのだが…



………どうやら光が危ないらしい。



たしか俺を足止めしてる間に光を倒すという作戦を立ててたみたいだ。



…………あいつら俺を足止めするつもりだったのか?



あの人数なら倒せると確信してもおかしくないだろうに…




…………まあいいや。



そんなのは後で…







だって。





着いたから。







ここか…



…………光、絶体絶命じゃん。



んでもって中々高位の結界が貼られているな。


まあ、じゃあこいつの出番か…



「《大祭結界》、一本バージョン」





ちなみに、この大祭結界というスキルは、結ぶ光剣の数を選ぶことができる。


つまり10本の光剣の内、3本だけを線で結んで結界を作る事もできるという事だ。


そして、繋ぐ本数を減らすだけ、守れる範囲が小さくなる。



ちなみに、減らせば減らすだけ消費MPが減る。






ただ、この《大祭結界》というスキルは、魔法に触れるだけで発動するため、別に守れる範囲が狭くても、結界に当てられれば関係無い。



本人の力量次第である。




そしてその効果は…




触れた魔法や遠距離攻撃を、触れた瞬間掻き消すという効果である。



まあ、この効果はオマケだけどな。



メインの効果はまた別だ。









………そして俺がそんな事を考え終わると…




バリィン!!!!




結界が割れた。





そして俺は、このビルの中に入り…








「《大祭結界》」



光に向かって放たれていたビームを掻き消した。





そして俺は口を開いた。









「なあ、光。ソロはもう十分楽しんだだろ?ここからはデュエットを始めようぜ!!!!」



「…………遅いよ………飽きが脳にまで回ってたんだよ?」


「………わり、遅れた」


「いいよ、来てくれただけで満点あげちゃう!!!!」



そして俺は、んな早とちりをする光に一言添える。



「フッ、満点はまだだろ?」


「………ん?」


「あいつら倒すまで満点はとっとけつってんだよ!!」


「ああ、そゆこと。じゃあまあ、サクッとやっちゃいますか!」


「勿論!!!!」




そして俺らは、二人同時に駆け出した。




そして…



「もらいっ!!」



バシュッ!!




「終わりだね!!」




テュキィイイイン!!!!




からの…




「「フン!!!!」」




バシュッ!!!!









アイコンタクトだけで、完璧な連携をカマした俺らは拳を合わせる。



「「ナイス!!」」







そして俺らは、二人同時に外を見る。




「逃げたな、あのスナイパー」


「追うかい?無神?」


「………いいや、これ以上の消耗はぶっちゃけキツい、休憩しよう」


「だよね~僕も限界。もたれかかっていい?」


「ん?寝転べば?」


「酷い!僕頑張ったのに!」


「……………………分かったよ、どうぞ」


「わーい!!」




ドサッ!!!!



うっ!!重い!!!!


だが、口には出さない。


俺はデリカシーがある人間だ。














そして休憩を始めて10分経過したときだろうか。





『戦闘中の全生徒にお伝えします、残り人数が10人を切りましたので、ラストファイトを開始します。この座標にお集まり下さい』







…………もうか。




「行くぞ光、休憩は終わりだ」


「…………えぇ」


「名残惜しそうにすんな、またやってやるから」


「…………本当に?」


「ああ、本当に」



「……………行こっか!!!!」ウキウキ


「うわっと!!ビックリした…………驚かすなよ」


「ごめんごめん、じゃ………今度こそ行こっか?」


「勿論」





そして俺達は、仲良くこのビルからおさらばし…



座標に書かれた交差点まで急ぐのだった。


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