第89話 光の試練
side妙寺園光
私は、勇者である。
そう!私は勇者なのである!!!!
だから無神は、私にしかできないという仕事を与えてくれた。
そしてそれはズバリ!あの入学式のバトロワで、無事1位を獲得した人外。
現生徒会長の妹である…
七夢仄離(ななゆめ ほのり)の討伐だ!!!!
まあ、つまり…
Sー1を皆殺しにするということである。
…………そして正直に言おう。
今回の戦いは…
勝てる。
だって私がもし無神と戦ってなかったら、1位になっていたのは間違いなくこの私か無神だもの。
運が良かっただけの奴らに負ける気しない。
っと、来たか。
やっぱり騒ぎの中心に来たがるんだねぇ、Sの面々は。
お陰様で結構速く見つけられたな。
…………奇襲だな。
そして私は、真っ先におのれの清き誉れを投げ捨てて、そんな作戦を思い付く。
誉れは対馬に置いてきた!!!!
…………何を言ってんだろ、私。
切り替えてこ。
そして私は、剣を構えて…
物陰から飛び出した。
バシュッ!!
まず一匹。
そして…
ブシュッ!!バシュッ!!バシュッ!!
流れるように3匹。
そしてやっと私の存在に気づいた仄離が、私に剣を向けて来た。
そして奴は口を開いた。
「…………貴方程のお強い方が何故奇襲を?」
………………は?
……………ああ、成る程、こいつらはこの場をギルドへのアピール大会としか思ってないわけか。
成る程成る程。
死ね。
そして怒りに支配された私は、奴に問答無用で斬りかかる。
ガキィイン!!!!
ッチ!!受け止められたか。
やはり雑魚という訳では無さそうだな。
…………だが。
雑魚じゃないだけで、私には敵わない。
バキィイイン!!!!
「なっ!?」
これで仕舞いだ。
バチン!!!!
ん?
障壁?
誰の?
………そして私は、これを作り出した犯人を探すため、辺りを見回す。
すると…
見つけた。
「死ね」
そして私は斬りかかる。
…………が。
ガァン!!
横から伸びてきた槍に止められてしまった。
まさしく横槍だな。
………そして私は、辺りをもう一度見回す。
すると呑気をかましている場合では無いということが分かった。
囲まれてるわ、これ。
…………すると何か仄離が話しかけてきた。
「ねぇ、貴方」
「ん?僕かい?」
「ええ、そうよ」
「何だい?」
「もう貴方の敗けは確定してるわ、投降なさい」
……………ああ、そういえばこいつらにとってはアピール大会だったか。
それに何を勝ったと勘違いしてるんだ?
私に一発入れた訳でも…
私が本気を出した訳でもないのに。
「発動、《対抗心》」
スキル《対抗心》は、自分が人数的不利な分だけ、自分をバフしてくれるというスキルである。
ぴったりだな。
この状況に。
そして私は、手頃な回復役っぽい女の子に…
「《月夜一閃》」
シュティイイイイン!!!!
からの…
「《英雄の斬光》」
シュタァアアアアアン!!!!
おっ!3人に当たった。
ラッキー。
そして私は、更に目標を定める。
皆を、殲滅するために。
そして私には、今回のこの活躍で、一つ渾名が出来た。
魔王、光。
随分皮肉が効いた名前だな。
…………まあ。
このバトロワが終わった後、無神が誉めてくれたから。
結構気に入ってる名前なのは、ここだけの話にしておこう。
…………しっかし、困ったな。
あれから全校生徒に、怖がられるようになってしまった。
悲しいな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます