第88話 境花無双

side七瀬境花








私は、無神に告げられていたポイントまでやってきていた。



そして私はそこら辺に座り込み…




「………長かった」



そう、めっちゃ歩いたので疲れきっていた。


足パンパン。




…………てか。



「待てば来るぞって無神言ってたけど、何が来るのかまでは知らないのよねぇ」



何で教えてくれなかったんだろ。



そう思いながら、空中にクソでかい魔方陣が展開された。



「無神ぃ、やってんねぇ」



そう思いながら、私は遠目から無神の方をずっと凝視していた。


遠すぎて見えないけど。


あいつが白夜撃ってるのは分かる。




…………そう思いながら待つこと三分。



足音が近づいて来た。




「…………来たか」




そう思い、私は立ち上がる。



そして物陰からひょいっと飛び出し、相手に向き直った。



そして私は、相手が誰なのかを理解した。






お嬢だ…







……………勝てるの?お嬢結構強いのに?



てか何でここ来ること分かったんだろ?



…………まあ、それは一旦置いておくとして。


無神がおそらく勝てると判断した上でのこれなのだから、私は私と無神を信じるだけだ。




………声をかけるか。




そして私は、お嬢に声をかけようと足を踏み出す。



するとパチッって音がしたのちに、私の真下に、透明になって隠れていた魔方陣が浮かび上がり、光る。




そして私は理解した。





………これ地雷だ。





パゴォオオオオオオン!!!!







私は危機一髪で、《戦いの加護》を発動させて爆発を避けた。



心臓バックバクである。


我ながら情けない。




…………まあ、取り敢えずお嬢には位置バレてるみたいだな。



さっきからこっちをめっちゃ見てくるし。



………何でそんなに私を見つめるの?




………聞いてみるか。



「おいお嬢、ガン飛ばしてくるとかいい度胸じゃん、買ってやるよ」


「………ノリがまるで深夜のチンピラですわ」


「金寄越せ」


「貴方が勝ったら焼き肉奢って差し上げますわ」


「流石庶民派お嬢、焼き肉行くんだ?」


「勿論、好きですわよ?たまにのご褒美で行きますわ」


「ふーん……………てか何でそんなに目をみひらいてんの?」




………会話中にもお構い無く目をガン開きにされておられるお嬢が不思議で思わず聞いてしまった。


すると…





「私のスキル《審美眼》には、相手のステータスを見るという力がありますわ」


「…………ほう、それで?」


「…………何か凄い数値なんですけど、何をなさったんですか?」


「ん?ああ、バフを同時に7つ展開してるせいだね、凄いステータスでしょ?」


「お話合いとかできませんの?」


「……………あの地雷は?」


「………審美眼が壊れたのか確かめたくて」


「…………殴る」


「でしょうねぇ!!!!」





シャラララン!!





その言葉が開戦の合図になり、お嬢が同時に13個の魔方陣を展開した。



そして…




来る。




ダダジャァアアンチュキィイイン!!!!



そして私は、飛んで来る全ての魔法を…



バガァアアアン!!!!ドコォオオオオン!!!!ブチィイイイン!!!!



通常攻撃で破壊する。




っぱこれ楽しいわ。


爽快爽快。





そして私は、お嬢の懐に潜り込み…



バコォオオオン!!!!


通常攻撃。




そして…



ピュウウウン!!!!



遥か彼方にぶっ飛んで行った。


私はそれを追いかける。




タァン!!ット!!タタン!!



ビルの側面を走りながら追いかけていると…




いきなりお嬢が空中停止をし…




シャラララン!!



視界を埋め尽くす程の大量魔方陣を展開し…




ダラァアアアアアン!!!!


一斉総射してきた。




…………空中を飛べるスキルって羨ましいなぁ。




そう思いながら、私は魔法を掻い潜り、お嬢の元へと到着し…




通常攻撃。




ベシィイイイイイン!!!!





そして…






ドゴォオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!





えげつない速度で地面に叩きつけられたお嬢は………即死した。











…………しっかし無神の言った通りだったな。



空中戦仕掛ける奴とは、このお守りは心底相性がいいって。



………信じて良かった。




そう思いながら、私は大量消費したMPを回復すべく…



またそこら辺に座り込むのだった。






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