第82話 間に合うかな?



…………いつまで見てくる気だこの人?


「………あの~、行ってもいいですか?」


「ああ、構わない。ただ名刺は受け取って欲しい」


「………これでいいですか?」


「ああ、ありがとう。私の我儘に付き合ってくれて。応援してるよ」


「………どうも」



そう返した俺は、死ぬ程気まずい思いをしながら、逃げるように転送部屋に向かって行った。







★★★★





到着した!!!!間に合った!!!!


タイムリミットまであと一分だったよ!!!!


境花に死ぬ程怒られた…


悲し。





まあ、それはそうとして…





「君が死神だね?」


「助けて、お願い助けて!!!!」




しっかり今、このAクラスを全員シメ終わった所だ。


2回戦目もチョロいもんだっだぜ。


しっかし、ここまで楽勝だと研修の時の森林を思い出すぜ…


懐かしい…













まあ、それはそうとして…


「はーい、じゃあ散々喧嘩売ってきた委員長君には、消滅して貰いまーす!!!!」


「…………聞き間違い?」


「神殺しの1撃ィイイイイイイイイイイ!!!!」


「…………あ」









シュン…………テュゴォオオオオオオオオオオン!!!!






…………殲滅完了。



今のところは………順調だな…


このまま作戦通りに行けばいいが…







まあ、心配し過ぎても仕方がない、速くSまで上がろう…


そう俺が覚悟を決めた瞬間、俺の周りが光に包まれた。




「………いやしっかしまあ、いつまで経っても現世に送られる感覚は慣れねぇわ」



そう思いながら、俺は転送部屋に送られるのだった。






★★★★



今日の対戦が全て終わった。


4回やって全勝である。


順調過ぎて怖い…


まあ、嬉しいことではあるか…


「…………はぁ、明日はSクラスだけのバトル・ロワイアルか……」





ちなみに言うと、俺達Cクラスはあの後手頃なSクラスを一方的に虐殺し…


Sクラスに成り上がっていた。


そしてあと残っていた3回は、相手が棄権したためなくなった。


こちらとしても、ありがたい。






まあ、だからといって疲れはとれないんだけどな…





「………寝るか、明日は本番だしな…」



そう思い俺は取り敢えず目を瞑る。


するとまぶたに、今までの練習の風景が写ったような気がして目を開けた。


「…………どっからどう見ても、そんな純粋な心はしてないと思ってたんだけどな………年齢のせいか?」




そう思いながら、俺は自分の寝付きが絶望的であることを再確認する。


「ステータス」








……………うん。


いいね。



「これなら行ける、だから安心して寝ろ、俺」




そうしてなかなか寝付かない自分を煽りながら、俺はまたベットに潜る。










…………速く寝よ。


そう思いながら…

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