第80話 あり得ぬ景色

side日ノ出竜我




あのクソウザい奴の2戦目が終わった。


だが、その内容はまさに夢だと思わせるような内容だったのだ。


いや………悪夢か…



「何故っ!!あいつはあんな魔法を!!!!」





無尽蔵乱撃。


消費MPは1万と、私でも乱発は難しいだ。







……………二流と言ったな。



そうだ、二流だ。



あいつは二流だ。




…………だが、あり得ない。




「あの年で…………二流だと…」




あいつはまだ、職業を得てから一年も経過していないビギナーの中のビギナーのはずだ。


だが、奴は無属性魔法レベル10をもう達成している。


そして推定三万の魔力も…








………いや、終わったときにまだまだ余裕があった事を考えるとそれ以上だ。




………だがそれでも欠点はある。





「私が見たものより数段は劣るな」




私の周りには、勿論私が強いから強いメンバーが集まる。


そして強い魔法使いも。



そしてそいつが無尽蔵乱撃を使っているのを見たことがある。




あの程度の威力では無かった。



つまり…




「奴は威力を犠牲に魔力を高める術を持っているのか?」



これしか考えられない。




だとしたら…




「……奴と対立するのはやめた方が賢明か………クソがっ!!」





その方法を知りたい…


ならば良好な関係を作るのは当然。


無理に聞き出すにしても、奴と私では相性が悪い。





………魔法使いは苦手だ。



特に中距離に効く魔法が…





「………帰るか」





そして私は、重い足取りで都の虚に帰るのだった。








★★★★

side無神






試合が終わった。


で、転送部屋に仮想世界から戻って来た俺は、そこから控え室に移動する途中、質問責めにあっていた。


質問が止まらん…


せめて1つに絞れよ………クソが。


そして俺が、心の中で呪詛を吐いていると…




「キーミタチ、後輩君が困っているではないか!!どきたまえ!!」


「お、おお!!器利先輩!!助けに来てくれたんですか!?」


「ああ!そうだとも!ついてくるのだ後輩君」


「ウオオオオオオ!!!!何処までももぉおおおおお!!!!」



ズリリリリリリリリリリリ!!!!



そして俺は、器利先輩の馬鹿力により、引きずられながら器利先輩の研究室に向かうのだった。










あの~僕脆いんで、割れ物注意貼ってるダンボールぐらい優しく…………しろやボケがぁ!!!!




ズリリリリリリリリリリリ!!!!



痛い痛い痛い痛い痛い!!!!






……………もう割れたよ、このクソが。

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