第65話 お鍋は美味い、寒いと余計に
今俺達は俺の部屋に到着し、重い足取りでみな各々の場所に腰かけた。
「……………おわり……ジエンド……ポックリ」
「おい止めろ始崎、こっちまで暗くなる」
雰囲気は………………
お察しだ。
そして俺はなんとしてもこの空気を変えるために、一つの提案をするのだった。
「しりとり、しようぜ!!」
「…………………」パキパキ
「まっまあ境花!無神も何とかしようとしてるみたいだから!怒らないであげて!」
「…………お前から殴るわ」ゴゴゴゴ
「ひぇっ」
………境花凄いなー、あの光が引く位の殺意を放っている。
人間兵器かよ。
「じゃあ俺からな~、リン…
バゴンォオオオオオオン!!!!
gォオオオオオオ!!!!」ミシミシ
俺は境花の本気のげんこつにより地面にダイブした。
「な…に…するんだ…よ……痛い」ズキズキズキズキ
「こればっかりは自業自得じゃないの?」
なっ浪江まで…
そしてそんなやり取りが七分位続き…
ピロロローン!
ダンジョンウォッチの呼び出し機能が鳴った。
「よし!!行くか!!」
「…………食べ物を………粗末にはしない!!」
光、何で覚悟決めてるんだ?
そして俺はベッドから立ち上がり。
ドアを開けた。
そして皆俺に続き、部屋を出た。
楽しみだと思いながら、俺は長い廊下を進んで行った。
★★★★
到着!!!!
「おーい!!御津留ノ宮!!できた?」
「勿論、舐めないで頂きたいわ!完璧よ!」
「…………あれ?想像してたのと違う?」
「………鼻腔をくすぐるね!この匂い!」
「…………ポーション?これが?美味しそうなポーションだね」
一人現実からぶっ飛んでいった奴がいるが…気にしない方針で行こう。
「さあ!最後の味見ですわぁ~!」
そしてお嬢は優雅なお玉さばきで、鍋の汁を小皿に取った。
ジュルル
「ん!美味しいですわ!」
「そう?じゃあ俺も」
そう一言断ってからお嬢の小皿をするりと持ち、一啜り。
ジュルル
「おー!美味しい!」
「……………………へ?」
「ちょちょっと待って無神それ間接キs…
シュタッ
「モゴッ!」
「静かに」
……………ん?何だよ?
何で俺が味見しただけでお嬢は顔真っ赤になって、光は境花に口抑えられて、あの幽霊は震えてるんだ?
…………あ。
そう言えばこいつらまだ
間接キスごときでも刺激的過ぎたか。
「じゃあ鍋食おうぜ」
「あ………はい」
そうして皆取り敢えず席に座った。
★★★★
30分後
俺達はあれだけあった鍋を完食し、その満腹感に浸っていた。
「いや!美味しかった!てか料理できたんだね御津留ノ宮さん!」
「はぁ、当然でしてよ。まさか貴方達私の事を世間知らずで金銭感覚の狂ったお嬢様とでも思ってたのかしら?普通に考えて大企業の令嬢でしてよ?一円の重さは誰よりも理解している自信がありますわ」
「そう………じゃあナマコは?」
「乾燥ダンジョンナマコですの。安いしいいダシがとれるのですわ。しかも特売」
「世間知りだ」
「やかましい」
まあ、そんなこんなで俺達は打ち上げを終わった。
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