第64話 打ち上げパーリナイ

次の日







閉会式を終わらせた俺達は、俺の住む旧寮の食堂に集まっていた。


ちなみにめっちゃ広い、超広い。


そして部屋のはじっこに精霊がプカプカ浮いている。


だが誰もそれについて触れない。


全員チラッと見ているけど触れない。


何故かって?


それよりヤバい光景が目の前に広がっているからだ。



「お買い物、終わりましてよぉ~!」


「「「「…………………」」」」



全員見事なまでに目が死んでいる。


そしてついでに部屋のはじっこにいる精霊の目も死んでいる。




「……………何それ?」


光が勇気を捻り出して言葉を口から捻り出した。




……………そう



「何でナマコ買ってきたの?」



境花から的確な突っ込みが入る。


ちなみに普通の食材も混じっているが、普通じゃない食材がエコバックから顔を覗かせていた。


このナマコ以外にも…



「あら?何ですの?取り敢えず上で待っておいて下さいな、私の手腕にかけて美味なお鍋を錬成しますわぁ~!」



「「「「「……………………」」」」」










★★★★







俺以外の奴らは重い足取りで俺の部屋に向かっていた。


ちなみに俺の部屋に行く道のりの中腹位まで来たが、全員ここまで一言も喋っていない。


雰囲気としてはお通夜に似通っている。


顔を覗き見るとみなこの世の終わりを実感したような顔をしている。


地獄でも見てきたんだろうか?



そしてついに耐えきれなくなった奴が口を開いた。




「………お鍋を錬成?ポーションでも創る気か」



始崎………ずいぶん限界だな。


俺がそう思っていると…



バシッ



横から胸ぐらを掴まれた。


境花だ。



「…………何が大丈夫だよ。ミリ期待した私の気持ち返せよ…………あいつが食堂の扉開けた時、この世の終わりみたいなラインナップの食材を見たときの私の絶望を………思い知れぇええええええ!!!!」



バコン!!!!



おもいっきり殴られた。


若干痛い。



「まあ、落ち着けよ。まだ完成もしていないだろ」ズキズキ


「無神こればっかりは賛同しかねる…」


光まで…一体何が不満なんだ?


俺はそう思いながら、廊下を先々歩いて行くのだった。

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