第56話 強いね、でも負ける気がしない

雫の迷宮5階層




俺達は、あれから紆余曲折ありつつ、ボス部屋のど真ん前まで来ていた。


「なかなか敵が強いね!」


「まあ、無神が何故かほぼずっと戦ってくれてるから、MPの問題は無さそうだけど」


「てか無神君!MP大丈夫?」


俺が水筒の水を飲んでいると、急に質問されたのでそれに応えるべくステータスを開く。



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無神天人


レベルー51

職業ー極者


体力ー589/589

魔力ー6783/9718


攻撃ー425

防御ー189

魔攻ー791

魔防ー248

速度ー501

幸運ー389


スキル


《無属性魔法ー14》


派生スキル


《現剣無双ーMax》 costー10/10


世界の中心ワールドセンターー5》


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「後だいたい7割残ってる」


「え?えぇ…」


「流石に冗談でしょ?私よりも残ってるじゃん」


「まあ、MPの多さには自信があるからな!」


「だとしても多すぎでしょ…」


俺達は、そんな会話をしながら最後の補給を済ませて、ボス部屋の扉に触れた。





バァアアアン!!









………うるせぇ


勢いよく開き過ぎだろ…


そう俺は心の中で愚痴りつつ、部屋の中にへと移動する。


そして…




ワァアアアアアン!!!!





ここの5階層のボス、エンペラーフィッシュが現れた。


その姿は、一言でいうならクソでかいマグロ。


そして何故か空中を水中にいるかのように泳いでいる。


このアホ程広いボス部屋を、クソ早いスピードで動き回っている姿はザ、マグロだ。


そして…


「行くぞ!!」


俺がそう叫び、戦闘が開始した。



まず俺は、現剣無双と世界の中心を展開し、ご挨拶とばかりに白夜を1発ぶちこんだ。


チュゥウウウン


バコォオオオオオオン!!!!


全弾命中。


だが…













エンペラーフィッシュの体には、大したダメージは見受けられなかった。



「流石の魔法耐性だな、こりゃ噂になるわ!」


「そんなこと言ってる場合!?」


こいつの鱗には、高い魔法耐性がついている。


その代わり鱗の下の魔法耐性はクソ雑魚なのだが…


問題はどうやって鱗を剥がすかだ。


まあ、取り敢えず…



俺は現剣無双のうち2本を手に持ち、身体強化を発動し、光、浪江と共にこのマグロに斬りかかった。


「さあ!!マグロの解体ショーを始めるぜ!!準備はいいか!?」


「「ああ!!」」


ガキーン!!


ジャキィイイイイン!!


バババコォオオオオン!!


俺の斬撃はあんまり効かなかったが、浪江の弓矢と光の斬撃がなかなか効いて鱗が若干剥がれた。


「よし!!良いぞ!!この調子!!」


「そっちはもうちょい調子上げてね!!」


「無理!!雑魚戦で結構疲れた!!」


そう光と言葉を交わし、まるで波のように止めどない連撃を、このマグロに叩き込む。


すると…


「見えたっ!!」


鱗が剥がれ、皮膚が露出している場所が生まれたのを感じ取り、俺はすぐさま白夜を10発ぶちこんだ。



ババババババババババコォオオオオオオオオン!!!!



そして…




ワァアアアアアン!!!!



俺の会心の1撃を喰らったマグロは、地面に倒れこんだ。


そして俺達は、ここぞとばかりにスキルを叩き込む。


「神殺しの1撃!!」


「月夜一閃!!」


「矢針刺し!!」


「祈りと奇跡の咆哮!!」


「通常攻撃ぃいいいいいい!!」



バコォオオオオオオン!!!!



シュィイイイイイイン…ジャンッ!!!!



ザザザザザザザン!!!!



ヒュゥウウウン…チュドオオオオオオン!!!!




ベシィイイイイイイン!!!!



そして…




パッラララーン、レベルが52に上がりました!!



レベルが上がった。


これで経験値が入った事を確認した俺達は、安堵の吐息を吐いた。


「終わったなぁ」


「意外と呆気なかったわね」


「だな」


「でまあ、感想はいいとして、どうすんの?セーブ行って上戻る?」


「じゃあそれで」




方針を決めた俺達は立ち上がり、取り敢えずセーブエリアを目指すのだった。





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