第50話 出発の時間だ!!
俺は超ギリギリ朝のSTに間に合った。
ガラン
「おっはよぉおおおお!!!!」
キンコーンカンコーン
あっ、チャイム鳴った…
「ふぅ、ギリセーフ」
「間に合わなかったら一発ぶん殴ろうと思ってたんだけど、間に合ったか、運いいね!」
「はぁ、それはそうと凄いクマね、今日が楽しみで眠れなかったのかしら?」
「なっ何故分かった!?」
「……………冗談のつもりだったのだけれど」
「さい先真っ暗と言ったところね、ふざけんな」
登校するなり俺に暴言を浴びせてくる三人衆に、俺は妥当だなと思いながら席に座った。
すると…
ガラン
「準備できていますよね!さあ廊下に並んで下さい!!」
先生が教室に入ってきた。
「…………マジで紙一重じゃない」
「……………ああ、そうだな」
そう境花と言葉を交わし、俺達は廊下に並ぼうと席を立った。
★★★★転移の間
俺達は、Sクラスから順番に案内され、転移の魔方陣がある転移の間に、綺麗に列をなしながら入室した。
「結構広いな」
「まあ、この人数だし広くないとやっていけないんでしょう」
「確かに!!」
そう偶然隣になった境花と雑談していると…
床に書かれている突然魔方陣が光だして…
ヒュイーーン
★★★★転移の間(秘境)
到着した。
「はっっっや!!」
「ここまで来ると最早呆気ないって感じね」
「ちょっとしたピクニックに行くよりも手軽なのはどうにかならんもんかな!」
「確かに、重要な合宿イベントだものね、特別感にはもっと仕事していていただきたいわ」
「そうそう!」
そう会話をしながら、俺達は洗練された教師の誘導に従って、5分程歩いたところで体育館のような場所にへと到着した。
そして俺は、パイプ椅子が二脚ずつくっついていて、それが等間隔に並べられている体育館の中にへと入って行った。
簡単に言うと
椅子椅子 椅子椅子 椅子椅子
椅子椅子 椅子椅子 椅子椅子
といった感じだ。
これがほぼ無限に続いている。
「…………座るか」
俺は、また校長の長げー話を聞くのか…
と重苦しい気分で座ろうとした。
すると…
「ねぇねぇ、それなんだけどさっ!僕無神の隣でいい?」
「あっ私も隣がいい」
「私はどっちでもいいわ」
…………いきなり光と境花から隣がいいと俺に注文してきた。
俺は別にどっちでもいいため。
「じゃあじゃんけんすれば?」
じゃんけんをすすめた。
するとこいつらは意外と律儀なもんでじゃんけんを始めた。
「「「最初ーはグー…じゃんけんポン!!」」」
★★★★
最初のイベントであるクソつまらん開会式を終えた俺たちは立ち上がった。
そして立ち上がる途中、真横にいる始崎が口を開いた。
「長かったわね。まあそれより、これからどうするの?」
そしてそう始崎が言った途端、境花が口を開いた。
「いや、それよりもさ。何でじゃんけん参加した上で独り勝ちしてんの?」
「そうだよ!どっちでもいいって言ってたじゃん!!」
「まあ、折角ならやろうと思って」
「ああ、そんなことはどうでもいい。問題なのは今からお昼過ぎまで自由行動と言うことだ」
「そうよ」
何故か便乗してきた始崎に疑問符を浮かべながら、俺はこれからどうするかを再度目で訴えかけた。
「…………まあ、納得はしないけど、今はこれからについて話し合いましょう」
「…………うん、そうだね………納得はしないけど」
やっとやる気になった二人に俺は安堵しつつも、2つの提案を切り出した。
「さあ、今からは二択だ。この秘境にしかないダンジョンに潜るか、それとも仲間探しをするか…多数決で行こう。ダンジョンにいきたい奴は手を上げろ、仲間探したい奴は手を上げるな。よし!!じゃいくぞ」
「「「「いっせいのーで!!」」」」
俺…………ダンジョン
光…………仲間探し
境花………仲間探し
始崎………仲間探し
俺はこの結果を見てこう言った。
「速くダンジョン行こうか」
「じゃ、お昼時にここ集合で」
「うん!頑張ろうね!」
「私はあっちに行くわ、皆頑張ってね」
ダダダダ
そしてそんな流れで、俺は独り、この広場の端っこに取り残されたのだった。
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