第46話 和解


俺と光は、俺の部屋の扉の前に来ていた。


「おーい、開けるぞー」


そうことわって、俺は扉を開けた。


ガチャン


すると…


バーン!!


「「…………え?」」


凄みを感じる土下座をしている始崎が俺の目に写りこんだ。


ビックリした俺達は思わずハモる。


ってか何してんだこいつ?


「おい、何でいきなり俺達に日本外交の到達点叩き込んできたの?」


「なっ何してるの始崎!」


「謝罪と要求」


「…………謝罪は?」


「無茶苦茶なことしたこと」


「要求は?」


「仲間になって欲しい」


「…………始崎、言いづらいんだけどもう仲間になったよ、無神」


「またまたご冗談を」


「本当だぞ、ついて行くぞ」


そう俺が言うと、始崎は心底驚いた顔をしたのち、薄い笑みを浮かべてこう言った。


「…………やりますねぇ、光」


「まあ、もう無茶苦茶な勧誘はしない事と交換条件だったけど」


「……………そうなんですか、無神さん?」


「ああ、そうだな」


俺がそう返答すると、始崎は何か凄いものを見るような目をして、こう言ってきた。


「…………ありがとうございます」


「何で感謝?」


「この人、少し暴走してたので、止めてくれてありがとうということです。あともう少しで、止まれなくなるところだったと思いますので」


普通に感謝された俺は、つい原作をプレイしていた時の文句を口にしてしまった。


「はぁ、まあ感謝するのはいいが、お前が止めろよ保護者」


「一応手は尽くしました」


「………ああ、そうなのか」


そして言い返されて冷静になった俺は、ずっと気になっていたベッドの方へと視線を移した。


そしてそこには…


「一段落ついたところ悪いのだけれど、解放してくれないかしら?」


「ロープで、グルグル巻きにされてるっ!?(目を擦りながら)」


「…………いや、そうはならんだろ」


「なってるんだよなぁ、それが」


俺は呆れ返りながら、始崎にへと視線を戻した。


するとこう言ってきた。


「光が捕まえたので。仲間になったということで魔王の話をしてたら巻き込むなと暴れてきたので、魔法で拘束しました」


「で、無理矢理話したと?」


「はい、悪いことしたなと思っています」


「……………まあ、反省してるならいいや」


「いやよくないけど?」


そう境花に突っ込みをいれられた俺は、取り敢えず境花の拘束を解いてやる。


すると光が…


「じゃ、神託の話しますか」


「………ここでするの?」


「うん、無神は仲間になってくれたし!」


「私は?」


「帰っていいよ?」


「じゃ仲間になる」


「無神もだけど軽いなぁ、ちゃんと最後までついてきてよ?」


「勿論」


そして光が話始めた。


神託の内容と…




自身の暗すぎる過去を。



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