第44話 鬼ごっこ(かくれんぼ)
部屋から出た俺は、始崎に何て送られてきたのか聞いた。
「何て送られて来たんだ?」
「…………いやそれがね」
「んだよ歯切れ悪いな」
「簡潔に話すと、この鬼ごっこで捕まったら仲間になれ!だって」
「ん?仲間?なんのこと?」
「多分………いや、これは貴方達が捕まったときに言うわ」
「おけ、つまり逃げればいいんだな?」
「まあ、そういうことになるわね」
「じゃあ解散解散!固まってたら一網打尽だぞ!」
「じゃっ、私も移動しようかしら。ちなみに、どこまで行っていいのかしら?」
「この旧寮の中だけらしいわよ」
「おお、そうなるとかなり広いな、何たってこの旧寮はクソデカイからな!」
「制限時間は一時間よ、一時間経ったらここに集合、分かった?」
「「勿論!」」
そう言葉を交わして、俺達は解散した。
★★★★
「ここでいいかな」
そして開始から5分ぐらい経った頃、俺はいい隠れ場所を見つけたのでそこに隠れようとしていた。
そして…
「……………何で来たの?」
「ここには来ないだろうなぁ、って思ったから!!」
「……………来たら?」
「大変だね!!」
「死ねぇ!!」
……………そう!!俺はこの精霊がいる部屋に来ていた!
「もういや…」
「はぁ、じゃあ仕方ないからあと30分したら出ていくよ」
「本当に?約束する?絶対?」
「うん絶対」
「ならまあ、30分ぐらい許容してやるわ」
「よっ!!流石アノk…
バコン!!
「机をぉ、飛ばすなぁ(うずくまる)」
俺のみぞおちにクリティカルヒットした机を見ながら、俺はそう呟くのだった。
★★★★
30分後
「経ったわよ」
「へいへい出ていきますよぉだ」
「できれば二度と来ないで」
「何で俺こんなに嫌われてるんだろ?」
「自分の胸に手を当てて考えなさい」
「心臓が………元気よく鼓動しているっ!!」
「そういうとこよ」
「な、なんだってぇ!!」
そんなやり取りをしながら、俺はこの扉のない部屋から退出した。
「じゃ、頑張るわ」
「この部屋には近づかないでよ?」
「大丈夫!!近づいたりなんてしないと誓う!!」
「…………まあいいや、行ってらっしゃい」
「行ってきます!」
そうして俺は歩きだした。
★★★★
あの隠れ家から追い出されてはや16分、俺は気分よく旧寮を歩いていると、主人公と目があった。
「やあ!よくも落としてくれたね!血眼になって探したよ!」
「…………話をしよう」
「おりゃあ!!」
「来るなぁあああああああああああ!!!!」
そうして、俺は主人公に追いかけられながら心に誓うのだった。
こいつの神託と使命よる暴走を今のうちに止める、と。
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