第43話 で、結局何すんの?


俺は非常に面倒臭い主人公をてきとうにあしらいながら、俺の部屋の扉の前にへと到着した。


「開けるぞ」


ガチャン


「どうぞ入ってくれ」


「「お邪魔します(るね)!」」


「へいよ」


そして自分の部屋に入室した俺は、ここは絶対に譲らないという覚悟をもってベッドに座った。


すると…


「ほいっ」


ヒューン


「サンキュ」


ガシッ


境花がアップルジュースの入ったカンカンを、俺に投げて渡してきた。


そして俺はそれを飲む。


溢さないように。


そして俺が、溢さないようにジュースを口に流し込んでいると、光が話しかけてきた。


「ねぇねぇ!さっきのカッコいいの何!!」


「ただのスキルだけど…(嘘)」


「どんなスキルなの?」


「何で俺が自分の手の内を晒さなくちゃいけないんだ、この話はここで終わり」


「えーけちー」


「うるさい」


「はぁ、まああんた達2人の馬が合うことはよく分かったから、何するのか決めましょう」


「うん…それもそうか!」


「で?結局何するの?」


「かくれんぼ(即答)」


「………………他には?」


「鬼ごっこ(即答)」


「オーケーお前黙ってろ」


「そんなぁ!」


俺から戦力外通告を受けた光は、何故か俺のベッドで寝始めた。


「降りろカース」


「決まったら起こしてね!」


(-.-)Zzz・・・・


…………寝息をたててガチ寝しやがった。


「…………窓から放り投げたぐらいじゃ死なないだろ」


「やめなさい天人、ここ8階よ。さすがのそれも無事では済まないわ」


「……………言いづらいのだけど」


「何?」


「落としたところで多分無傷よ」


「へ?」


「ノーダメよ」


「え?」


「よっしゃぁあああああああああああああああああああああ!!!!いったれぇええええええええええええええええええええええ!!!!」


「あっおいこらアホ、一旦鎮まれ」


「ぽい」


ヒューーーーーーン ドガーーン!!!!


「ああすっきり」


「《聖女の祈り》」


俺がすっきりしたとたん始崎がスキルを使い、万が一無傷ではなかったときのケアも万全だ。


「さあどんな顔をして帰ってくるんだろうか…私気になります!」


「黙れ畜生、マージでやりやがってこの野郎」


「…あっ!いいこと思いついた」


「……何?始崎さん?」


「このまま光から逃げ続ける鬼ごっこをしましょう」


「おっそれいいね!やろう!」


「………………もうヤダ」


「じゃあ取り敢えずここに居たらすぐ捕まるから、とっとと移動しよう」


「そうね、あと私はダンジョンウォッチで今から鬼ごっこが始まった事を連絡したわ」


「まさかの過去形」


「じゃ、行こうか………返信来た」


「勿論」


「…………もうどうにでもなれ」


そして俺達の鬼ごっこが始まった。




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