第42話 世界の中心


俺は超高速で着替えて、旧寮に誰よりも速く辿り着いた。


そして俺は、旧寮の無駄に広い玄関で、あの幽霊(笑)さんと向かい合っていた。


「………友達が遊びに来るってどういうこと?」


「まんまだけど。あとちなみに3人来るよ」


「問題は人数じゃない、肝試しに来る人は割といるけど、友達の部屋に遊びに行く感覚で来る人は初めてだから追い返せる自信がない」


「追い返さなくていいよ、どうせ無理だから」


「決めつけるな」


はぁ、ずいぶんご立腹だなと心の中で愚痴る。


「じゃそういうことで、部屋戻っていいよ」


「ここ数千年で一番ムカついた」


「ばばあやんw」


「そりゃ!」


バコン!


粗大ゴミの日が明日だった事が判明し、玄関に放置されていた扉が俺に向かって飛んできた。


「ポルターガイストで攻撃するのやめてって」


「フンッ!部屋戻る。あと、その友達を私の部屋に連れて来るのはやめろ。お前の部屋に連れてくのは二億歩譲って許してやる」


「あ~あ、拗ねちゃった」


「フンッ!」


シュビン!


そう言ったと思ったら、ワープで自分の部屋に戻って行った。


「全く細かい奴だな、人の気配ぐらい我慢しろって」


そういいながら、俺はここに来る途中非常に気になっていたステータスを表示する。



__________________________________________________


無神天人


レベルー16

職業ー極者


体力ー308/308

魔力ー7659/7659


攻撃ー298

防御ー154

魔攻ー510

魔防ー213

速度ー308

幸運ー276


スキル


《無属性魔法ー11》


派生スキル


《現剣無双ーMax》 costー10/10


世界の中心ワールドセンターー1》


__________________________________________________



……………………………もう意味分からん。


現剣無双で慣れたと思ったのに全然慣れない。


この高揚感は…




まあまあそれはさておき。


「ここで使っていいのかな?」


俺は純粋な疑問を口にする。


「まあ取り敢えず、《世界の中心ワールドセンター》」


俺は危ない系ではなさそうだったので、使ってみた。


すると…


シャラーン!!


俺の左手に、何か宝玉のような物が浮かび上がり、周りに青い魔方陣が展開された。


何これカッコいい!!!!


そう思っていたのもつかの間、俺はこの派生スキルの効果を理解した。


「《現剣無双》」


シュディーン!!


俺がスキル名を言うと、俺の周りに現剣無双という文字が浮かび上がった。


そしていつも通り10本の光剣が漂う。



そしてその効果はここからだ!




そう思い。俺は白夜を展開しようとしたが、我に帰りハッとする。


「俺何自分の住居スペースにビームぶちこもうとしてんの?頭イカれすぎだろ」


ながれで白夜をぶっぱなそうとした俺の好奇心を何とか沈める。


ちなみに世界の中心の効果は、スキル名や魔法の詠唱や名前を口に出して言うことで効果を発揮する。


その効果はなんと!!


使用するMPを半分にする、だ。
















…………………つっよ。


これが俺の感想だった。


カッコいいし最高かよ!!



そう思うが、俺はふと考えた。


これ、俺だからこそなのでは?と。


何故なら、普通はスキル名や魔法の詠唱などは、言った瞬間に効果を理解されてしまう事が多いからだ。


まあ別に、分かってても対処出来ない技を撃てば解決なのだが。


そうこの世界は甘くない。


何たってこの世界の魔法は、弱点属性の魔法に当たった瞬間に掻き消されるからね、それは初級魔法と最上級魔法が当たった場合でも同じである。


例えば天照(神級魔法)とウォーターボール(初級魔法)がぶつかった場合、問答無用で天照が消される。


だからこんな詠唱やスキル名を、空中に文字として公開するなど正気の沙汰ではない。


だがそこは俺のスキル、全く予想できない。


俺ですら(憤怒)


それに無属性魔法は、威力が他の属性の魔法に比べて弱いかわりに消されないという特性を持っている。


だからこそ、俺はこの効果のメリットを沢山受けれて、デメリットをそんな受けない。


非常に俺向きの技になっている。


非常に嬉しい。


そして俺は、世界の中心でしばらく遊んでいると…


ガタン!!!!


「来たよぉおおおぉおお!?何それ!!」


「へ?あっああ、光か。俺の部屋に案内するよ、ってか来たの光だけ?」


俺がそう言った瞬間、扉の向こうから声が聞こえてきた。


「来てやったわ、天人」


「私もいますからね」


缶ジュースを2本持った境花と始崎が現れた。


「仲良く3人で来たのか、今すぐ案内する」


「じゃあ案内してる途中に、あのさっきの奴について教えて!」


「案内する」


「教えて!」


「案内する」


「教えて! 」


「案n…


そして俺は、案内するボットになりながら、俺の部屋に向かった。

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