第39話 ダンジョン研修楽しいな!!
俺は女性陣よりも先に、更衣室の前にある広場のベンチに座っていた。
まあ、座り初めてだいたい5分が過ぎた頃らへんだろうか。
俺はととっと来いよーと内心思いながら、空を眺めて待っていた。
すると…
「おーい、来たわよ!!」
「おっと、始崎さん。更衣全員もう終わりましたか?」
「ええ、終わったわ、今私の後ろにいる」
「そいつは上々、じゃあ俺も立ち上がりますか」
そう言って空を眺めていた俺はベンチから立ち上がる。
そして後ろを振り返ると。
そこにはの優しい赤色が混じった茶髪のポニーテールの女の子が立っていた。
そう!!この子が、めいゆうで人気投票3位の地位を5回行われた人気投票その全てで死守したツンデレ聖女こと始崎唯菜さんだ。
そしてその後ろには、装備に着替えた境花と我らが主人公である明路園光(みょうじえん ひかり)さんが仁王立ちしていた。
「じゃ、行こうか!」
「そうね、ぐずぐずしてると置いてくわよ」
光と境花に急かされた俺は慌てて後を追う。
本当に転生してよかったと思いながら。
★★★★
「ここがダンジョン研修Cクラス本部かぁ」
「と言っても、ダンジョン前にテント置かれてるだけだね」
「光、ちゃんと運営してる人もいるわよ」
「おっとぉ、こりゃ失敬」
そんな雑談をしながら俺たちは本部にへと近付いた。
「Cクラス7班のリーダー、無神天人です。確認宜しくお願いします」
「はい確認出来ました、ありがとうございます。引率の振り分けをするので、どうぞあの木陰でしばらく休んどいて下さい。私から呼びに行きますので」
「はい、丁寧にありがとうございます、では」
俺は、先生の印鑑が押されたパーティー用紙を受付に見せ、みんなで木陰に移動した。
「やっぱ無神をリーダーにしたのは正解だったね!」
「いや、別にお前も出来るだろ」
「違うよ、面倒押し付けれてってこと!」
「はぁ、いい性格してんね」
「どうも!」
そんなやり取りをしながら暇を潰す。
そして俺は、暇を潰すついでにこのダンジョン研修についてのルールを、心の中で復習することにした。
まず一つ目、ダンジョン研修で使う校内ダンジョンは、クラスによって難易度が違うということ。
俺はCクラスなので普通位の難易度である。
そして引率の存在。
これは、初戦に気後れしてしまう生徒の精神安定剤兼いざってときのお助けキャラだ。
流石に研修で死ぬのはダメだからね。
そしてこれには、戦闘系の新三年生が割り振られる。
教師だと全然人数足りないのでその為だ。
まあ、これが案外先輩との仲を深められていい風習なんだよなぁと言われているのは全生徒の共通認識である。
そしてそんな事を考えていると………
「引率が決まりましたのでどうぞ此方にいらして下さい」
呼ばれた。
そして俺達は、引率誰になるのかなぁと思いながら本部にへと歩いた。
★★★★
「という訳で、貴方達の引率を担当する雀雫(すずめ しずく)です!!宜しく!!」
「「宜しくお願いします!!」」
プレイアブルキャラではないな。
これが俺のこの人への第一印象だった。
職業は服装から見て忍者かな?
でも多分隠密が得意なステルス系じゃなくて、肉弾戦特化のパワフルタイプだと思う。
だってこの人の忍者服の色ピンクだもん。
隠れる気を感じない。
…まあ!!そんな事は置いといて、待ちに待ったちゃんとしたダンジョン!!
とっても楽しみ!!!!
そして俺は、ウッキウキで雀先輩の後ろに着いていくのだった。
★★★★森林の迷宮1階層
ダンジョンの階段を降り、俺たちはついにダンジョンへと降り立った。
そして辺りを見渡すと………
絶句。
クソ程綺麗な、木漏れ日が降り注ぐ森の真ん中に辿り着いた!!
「綺麗ですね先輩!!」
「うん!確かに綺麗だけど、これ夜も木漏れ日が降り注いでるから時間感覚狂うんだよね。君たちも気をつけておきたまえ!!」
「分かりました先輩!!」
普通にいい人だなこの人。
そう思いながら俺は進んでいった。
すると…
ゴォー!!
ゴブリン4匹と、バトルゴブリン5匹の群を発見した。
「おおぉ~発見!!ここは誰が行く!?」
光が興奮している。
早く落ち着いて欲しい物だ。
「じゃあ俺で」
俺は手を上に上げ、最初に殺りたいという意思表示をした。
「ええ、分かったわ、じゃいってらっしゃい」
「速く終わらせて速く帰って来て」
「ウィーッス」
そして俺は現剣無双を展開使用しようとしたのだが、雀先輩に止められてしまった。
「ちょちょっと、1人で9匹の群はダメでしょ!!しかも初戦なんでしょ?ちゃんと協力しないと!!」
「へ?ああ大丈夫です必要ないです」
「何が大丈夫なんだよ!!大人しく協力しなさい!!命懸かってんのよ!?」
引率に怒られたが、俺は今度こそ現剣無双を発動した。
そして…
「白夜」
チュチュチュチュチュチュチュチューン!!!!
ドドドドドドドドドーン!!!!
9本の光が光剣から放出され、ゴブリン達を文字通り瞬殺した。
そして…
パッラララーン!!レベルが5に上がりました!!
レベル上がった。
まあ、ステータスは後で確認するかと思い、俺は光に話しかけた。
「次の接敵光行く?」
「勿論!!まっかせて!!」
「え?……え?C…クラス?だよね?」
雀先輩はまだ現実に追い付けていないようだ。
そして俺たちは、こんなノリで、この森林ダンジョンを進んでいくのだった。
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