第37話 俺の家のようなもん


夜ということもあり、真っ暗な中に灯る街灯が、その旧寮の古ぼけさを引き立てていた。


雰囲気ありすぎだろ。


そう思いつつ、俺は旧寮の門を潜り抜け、玄関へと足を運んだ。



「…………照明はついてるんだな」



そう思いながら俺は、玄関に靴を脱いで、荷物一式を回収し、いい部屋を探す為の肝だめしを開始した。





★★★★






「ここかな」


俺はそういいながら、景色が美しそうな八階の角部屋に入り、荷物を降ろした。


当然、真っ暗で外なんて見えないが。


「ふぅ、じゃあ、幽霊に会いに行きますか」


そして俺は、ここに来る途中、アホ程俺を怖がらせようと頑張っていた幽霊に会いに行く事を決意する。


部屋探ししてる途中で眠気吹っ飛んだんだよね。


眠気出るまで暇だし。


「それじゃ三階へゴー!」


俺は面白全分で三階に向かっていった。





★★★★





俺は三階にある、倉庫部屋に来ていた。


「おーい!!居るんだろ!!出てこいクソ!!」


ダンダンダンダンダン


俺は部屋の扉を乱打しながら叫んだ。


すると…


カチャッ


扉が開いた。


「何だよ、話し分かるじゃん!!」


俺はそう言いながら、倉庫部屋の扉を蹴りで開けた。


ドーン!!


「ちーっす!!アノクラナさん!!」


「何で私のこと知ってるの?そして蹴らないで」


「いやー、別に蹴っても蹴らなくても、どっち道寿命だったじゃないですか、この扉」


「そういう問題じゃない、てか誰?」


「名乗らせていただこう、私の名前は無神天人!!入学1日目のピッかピかな一年生だ!!」


「で、どうしてそんなピッかピかなペーペーが、私の本名と居場所を知ってるの?」


「勘ッ!!」


ボガン!!


ポルターガイストで扉飛ばして攻撃された、若干痛い。


この扉、明日の粗大ゴミの日に出そう。


「痛った、何するんですか!」


「……………まあ、敵じゃ無さそうだしいいわ」


「おっ!!そりゃどうも!!」


「…………で、あなたこの家から出ていってくれない?」


「単刀直入だな」


「答えて」


「出ていけない、何故かって?野宿したくないから」


「切実ね、まあ今夜だけよ」


「いや何言ってんの?これから3年間宜しくお願いします」


「土に帰れ」


「嫌ですよ、てかそもそもこの寮、俺の家のようなもんなんで、あんたが出ていってください」


「毎朝嫌がらせしてやる」


「気にすると思いますか?俺が」


「……………うざい」


「残念!!罵倒程度じゃ出ていきませんよ!!」


「……………(ジト目)」


「あら可愛い」


そんな無意味な会話をしていたら、いつの間にか結構眠気が出てきたので、俺は部屋から退出する。


「じゃあ、新居の挨拶も終わったんで、俺部屋に戻ります、じゃあ!!」


「もしかしてこいつ、私をご近所さんだと思ってるの…(驚愕)」


「はい!!!」


「…………うるさい」


「はーい、じゃまた明日」


「帰れ」


「勿論!!」


「いや、部屋にじゃなくて土に………」


「フゥウウウウウ!!!!ふかふかのベッドが俺を待ってるぜェエエエエエエエエ!!!!」


そう言いながら俺は、朝起きたとき、どんな絶景が見えるのか楽しみにしながら、自室に走っていった。




…………明日のパーティー結成の授業の事は考えないように。






______________________________________


変更があります。


角部屋の位置を四階から八階に変更しました。


以上です。

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