第34話 神殺しの1撃



走りに走って、俺は境花の元に辿り着いた。


てかこの主人公足速すぎだろ。


危うく追いつかれるところだった。



「おーい!!もう18分経ったぁ!?」


「後10秒!!」


「オーケー!!」


境花に返答してすぐに俺は後ろに翻り、主人公に対して1発白夜をぶっぱなした。


チューーーーン!


「くッ!!」


ドガーーン!


主人公が白夜を剣で弾こうとするが、剣が触れた瞬間爆発するので、避ければ良かったのにな、と傍目から結論を下す。


え?ホーミング?気合いで乗り越えろ。


そして10秒が経過した。


「発動!!《闘いの加護》!!」


トゥリーン!!


境花がそう言った瞬間、俺の体は言い様の無い全能感に支配された。


流石めいゆう最強のバッファーと言われるだけはある。


とか効果とち狂い過ぎだろ。



「勝った」



この全能感に支配された俺は、気持ち良く勝利宣言をする。


ああ、実にいい、実にいいぞ!!



そして俺は、完全にヤバい人になりながら、主人公に向かって走り出した。


ヒューーン!!


俺は一瞬で主人公のド真ん前に到達した。


速い、速いぞ!!


これなら他の切り札も使ったら、もっとスゴいことになるんじゃないか!?


そう思った俺は、一点集化を使った。


ちなみに一点集化というのは、現剣無双の10本の光剣を、ひとまとまりにして、威力を向上させた形態である。


ちなみに重さは無い。


そして俺は、その一つに纏まったおかげで強化された光剣に、神殺しの1撃を付与する。


ああ、ちなみに神殺しの1撃というのは、1でも100でも1000でも、自由にMPを込めれるMP任意に組分けされる能力である。


その効果は、1MP込めたら、1%ダメージが向上するという分かりやすいものになっている。


つまり100MP込めたら、100%ダメージ向上だ。


2倍だ。


やったね!!(語彙力崩壊)




そして俺は、この神殺しの1撃に2000MPを込めた。


つまり、身体強化で+1000。


で、それが6倍されて6000。


さらにそれの2000%。


きっとすごく強いんだろうなぁ~。


そんな事を考えながら、俺は主人公に光剣を振り下ろした。




シュン……テュゴォオオオオオオオオオン!!!!!!!!




えげつない衝撃がまきおこったかと思えば、俺の周りにクレーターができていた。


そして主人公を見つけるため辺りを見渡し、探して見るが…


消滅していた。


可哀想に。





そして俺は、超全力ダッシュで聖女の元にへと走った。



シュデュゥウウウウウウン!!!!


この18分の怨みのこもった全力疾走。


間違いなくいままでの人生の中での最高記録だ。



そんな事を思いながら聖女のとこに辿り着いた俺は…


聖女に残りのMPを全て込めた神殺しの1撃をお見舞いする。




シュン……テュゴォオオオオオオオオオオオオオオン!!!!!!!!



うん最高に気持ちいい。


そして俺は、MPを全て使い果たしたので地面に倒れる。



MP無い俺とか最高に価値が無いな。


そう思いながら起き上がると。


目の前に面白い光景が広がっていた。



「やあ天人君、久しぶりだね!!」


「おっととこれは浪江さんじゃないですかぁ、夏休みぶりですねぇ」


「うん、そうだね!!取り敢えず、撃っていい?」


「ああ、ごめん無理、取り敢えずそのゴツい弓下ろして?」


「えいっ」


シュバァアアン!!



「クソがァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」


そしてMPを使い果たした反動で疲れていた俺は、あえなくその弓矢に撃ち抜かれた。


そして俺は、唯一の友達である幼馴染みの笑顔を見ながら。


現実へと引き戻されていった。

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