第22話 爺を倒せ!!
ゴーーグツグツ
俺は今、夏なのに鍋を三人で囲んでいた。
「わあ!いいかんじです!!」
「ふぉふぉ、鍋は熱いから近づきすぎないようにの」
「…あの爺さん、俺があのクソサンドバッグを倒したから祝おうってのは分かるんだけどさ、何で鍋?」
「アホ弟子!!何を言っている!!暑い日に、クーラーガンガンに効いた部屋で食う鍋が美味いからにきまっとろうが!!!」
「あ~うん、だいたい分かった(諦め)」
俺は諦めていい感じの白菜をお椀にとる。
そして口に含もうとすると。
「そうそう天人、次の修行はワシと戦って貰う」
「ん?ああ、分かった」
「へ?」
何故か浪江が気の抜けた声をあげる。
何でかと考えていると…
分かった、おじいちゃんに修行を見て貰えなくなるからだな。
そう理解した俺は爺に少し抗議してやる。
「浪江の修行はどうやって見るんだ?」
「ふぉふぉ、何も考えておらんと思っとるのか?」
「うん!!!!!」
俺は威勢のいい返事をする、すると。
「お主は昼になるまでとある訓練場にこもっといて貰う、そのうちに浪江の修行を見るのじゃ」
「サンドバッグ君の秘密のところか?」
爺は首を横に振り、否定してくる。
「別のとこじゃ」
「どんだけ訓練したかったんだよ、お前の先祖」
そう突っ込みを入れ、俺たちは滅茶苦茶美味い鍋に舌鼓をうった。
★★★★
俺は朝っぱらから爺に呼び出され、訓練場に案内されていた。
「ふぅ、ここじゃ!!」
「割と近いな」
「ふぉふぉ、お主最近タメ口がデフォルトになってきたの」
「そうですかねぇ(ニッコニコ)」
爺はそのクソでかいシャッターを開け、俺を中に案内した。
そして少し歩き、到着した。
「ここじゃ」
「え?スゴッ」
そこには色々な訓練用の器具が揃いに揃いまくっており、感嘆の声しかあげれなかった。
「ここで昼になるまで訓練して貰う!!そして昼になったら呼びに来る、分かったか?」
「昼になったら自分から行くんで、分かってないです」
「ふぉふぉ、じゃあそうするかの」
そして爺は、あらかた器具の説明をしたのちに、浪江の訓練に向かった。
そして一人取り残され、考える。
何をすればいいんだ?
まず俺の脳ミソに沸き出たこの問題、取り敢えず器具を片っ端使うことで解消する。
★★★★
そして器具の1/3位使った所で、昼になり、道場に向かった。
「ふぉふぉ、よく来たの」
「よし!始めるか!!」
その掛け声と共に爺へダッシュ。
そして無言で爺からタイムをかけられる。
「血の気多すぎじゃろお主」
「この爺を殴りたい衝動を押さえられませんでした!!」
「素直でよろしい!!だがちょっと待て、言いたいことがある。」
「おけ、はよしろ」
「この修行はお主の剣術を完成させるために行う」
「ん?あんたの剣捌きを真似すりゃいいのか?」
「いや違う、お主にそれはもったいない」
「あ?(ぶちギレ)」
「ちょっと待て誤解じゃ、そういう意味のもったいないじゃない、お主には合わないということじゃ」
「成る程、殴っていい?」
「分かっておらんな」
爺はため息をつきながら俺に説明する。
「お主は戦闘の大部分を勘に頼っておる、なので決まった型だけを戦闘でくり出すのでは、その勘を上手く生かしきれなくなるからじゃ。」
「おけ、だいたい分かっただから………もういいか?」
「ああ、かかってこい」
そして俺は爺に突撃した、浪江は観戦している。
孫のド真ん前でこの爺に恥かかせてやるぜ!!!!
★★★★
カポーン
「あのサンドバッグよりも断然強かったなぁ」
俺はそんな事を思いながら、いきなり現剣無双を使うという姑息な手段を使った上で敗北して傷ついた心をこの湯で癒す。
ちなみにあの爺が手加減してくれたので体に傷は一切ついていない。
あっヤバい泣きそう。
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