第16話 修行振り返り(回想)

チャポン



「あ~~~ーー」


そんな間抜けな声をあげる。


そしてそれは多分、あのアホみたいな修行で、アホみたいにぼっこぼこにされたからだろう。


右肩、背中、左足の痛みが急激に引いていく。


「あの木に彫られてるここの効能、本当だったんだな(驚愕)」


この露天風呂の入り口には、それはもう御大層な木に彫られた効能が、200種類以上彫られている(途中で数えるの止めた)


最早何に効かないの?といったレベルである。


まあ、それはさておき。


「反省、だわな~」


俺は今日のこの修行でフルボッコにされてしまった。


「別に


そう、本当にこれなのである。


そんな文句を口で垂れ流しながら、今日の事を思い出す。




ーー~ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

~回想~



「と…取り残された?(んな訳無いだろw)」


自力で帰ってこいと言われてからあまり爺のを感じない。


スーーーン


「のわっ!」シュンッダダー


気配も目も、耳も何も使い物にならない俺は


おいおいちょと待てじじいさん。


「おいちょっと待て爺さん、いるんだろ?近くに!!」


叫ぶがそもそも耳栓で何も聞こえないので爺がレスポンスしてようが関係ない。


ちなみにだが、爺は今屋敷に着いたとこである。



「保護権どこ行ったァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア、くそ爺ィイイイイイイイイイ!!!!」


俺は考えられる最大の抗議を声量に乗せて叫んだ。


ちなみにレスポンスはの丸太型の何かだった。


「フンッ」スッ


俺は気合いで避ける。


まあ、ストレスは叫びまくって何とかなったが、どう考えても問題はこれからだ。


今はだいたい10時位。


そして暗くなるのは19時前後。


そして帰る時間を考慮して、俺は後7時間位避け続けるクソゲーをしなくてはならない。(詰み)


だが、避けるだけなら何の問題もない。


そもそも最初のクソデカイ本物の丸太は、あれ以来一本も来ていない。


「あれは最低限のテストってとこか」


あれを受け止めなかったら、もっとましな修行になっていたのだろうか?


それはない(即答)


あの爺は多分、もっとエグい修行にシフトチェンジするだろう。俺の勘がそう言ってる。


まあ、そんなたらればの話はどうでもいい。


問題は後9時間あるということだが、今思い付いたことがある。


そして俺はその方法を早速実戦する。


魔力を薄く、霧のように全身から噴出しようとする。


ちなみにこれは何をしているのかというと。


原作知識チートサイコー!!」


これはめいゆうの超序盤にとあるキャラから渡される、滅茶苦茶便利な発明品の応用である。


その名前はマッパー君。


名前が終わっていること以外は完璧な道具だ。


そしてその効果は、ダンジョン全域のマップと敵を表示してくれる時計である。


まあ、この時計は後半になるにつれて、色々更に出来るようになるんだけど、この話は今は関係ない。


そして何でそんなチートもいいところな機能を実現出来ているのかというと。


魔力探知に反応する特殊な魔力を放出し、その反応で画面に表示しているのである。


そして今!俺もそれを真似しようとしたのだが…


「あれ?魔力放出できn…」ズバコーン!!!


俺はゴムにぶっ飛ばされた。


背中が痛い。


殺意が溢れだしそうになるがグッとこらえる。


「この耳栓、俺の魔力を妨害してる…(ドン引き)」


あの爺、許さない。


てかヤバい。


これが出来ないということはつまり、帰れないと言うことである。


「はっはは…(絶望)」


乾いた絶望しか出てこない。


あれ?てか本当にどうしよう?




★★★★



俺はあれから、ほぼ全てのゴミを気合いで避けまくった。


おっと間違えた、ゴムだ。(わざとに決まってんだろ)


そして二個新しいあざが追加された。(痛い)


そして体感5時、もうそろそろ切り上げるべきである。


「クソがァアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!右肩と左足が痛てェエエエエエエエエエエ!!」


おnewの痛みににぶちギレつつ、俺は帰ろうと、屋敷に続く道を探す。


そして。


ツルッ


「ぐへッッ!!」


こける。


多分これは屋敷以外に通ずる道全てこけやすくなっているんだなと秒で悟る。


「あ、あ…(堪忍袋決壊寸前)」


そして俺はやっとの思いで硬い。しっかり立てる道を発見し、ゴムを避けつつ、歩いていくのだっだ。


ちなみに道を踏み外したらツルツル地獄再燃である。


やってられるか(堪忍袋決壊)





~ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



そして俺はまあ、何とか帰って来たのだが。


風呂に浸かりながら俺は思う。



「何回こけたんだろう」


と…

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