第2章 きつい、その一言につきる
第14話 修行開始
俺は飯を食べた後皿洗いを命じられ、それが終わった後、このくそ暑い中、爺に道場に呼び出されていた。
ついでに浪江がちょこんと正座している。
「食後の運動は体に悪いですよ?師匠」
「呵呵!、だからこそじゃろう?」
「僕、お腹痛くなるの嫌いです」
「呵呵呵呵呵呵!!すぐ慣れるわ!!気にせんでいい」
気にするわ(怒)
てかこの爺、何で俺を呼び出したんだ?
まあ、決まってるか。
「で、俺を呼び出したのは修行ですか?」
「ふぉふぉ、勿論そうじゃよ(満面の笑み)」
「で、何を鍛えるんですか?(満面の苛立ち)」
「ふぉふぉ、そう怖い顔をするでない、もう考えておる、すなわちお主が鍛えるのは、技術じゃ」
「ふーん、妥当ですね」
ずっと思い悩んでいたことがある。俺は動画鑑賞で(この爺のしかほぼ見てない)ある程度型は身に付いているし、身体強化があるので基礎鍛練はいらない。そして、対人経験などこの前の浪江との、打ち合い?しかやったことないし、家に武器を振り回すスペースなんて微塵もない(断言)
「して、どうやって鍛えるんですか?」
「おお、やる気があるのはいいことじゃ(笑顔)」
「して、どうやって鍛えるんですか?(半ギレ)」
「お主はせっかちじゃのう、ついてまいれ」
「わたしは~?」
「あ~浪江はそこで待っておれ」
「分かった~」
「お~よしよし、浪江は素直じゃのう」チラッチラッ
「…………」ブチッ
何か煽られた気がする、気のせいってことにしておこう(ぶちギレ)
そして俺は、この爺にてこてこと付いていく。
★★★★
「ここじゃ」
「ここ?」
俺は霧に包まれた竹林に案内された。若干肌寒い、夏なのに。
そう思いながら歩いていくと、かなり広い開けた場所に着いた。
「不気味ですね」
「そりゃそうじゃろう、何たって我が屋敷に伝わる訓練場所なのじゃからな」
「へー」
「我が弟子よ、そんな興味無さそうにしないでおくれ」
「だってあんまり興味無いし」
「まあそれはさておき、どうじゃ?何が見える?」
いや、自分から振っておいてさておくのかよ、この爺さん読めねぇ。
てかこの爺さん、何を聞いてるんだ?
「え?いや、周りが見にくいですね、霧のせいで。で、多分ここ竹林ですよね?」
「ふぉ~見えるのじゃな?」
「あの~さっきから何を聞いてるんですか?ある程度見えますよ」
「ふぉふぉ~~~~」
何だこの爺、ついにボケたか?
「(こやつ、この隠蔽のまじないがふんだんに掛けられた霧の中、ある程度物が見えるのか、やはり、物凄い目じゃな)」
今度は黙りやがった。何がしたいんだ?
「あの~師匠、年ですか?」
「呵呵!!失礼な弟子もいたものだ!」
はー、ていうかさっきから無駄な問答しかしていない。とっとと鍛えないと。
「で、何をすれば良いんですか?」
「おお、そうじゃったそうじゃった、これじゃあ」
師匠が何か手をごそごそとさせた、その瞬間。
スーーーン!
「え?」
…身体強化ぁああああああああああ!!!!
バチコーン!!
「卑怯者ぉおおおおおおおおおお!!!!!!」
「ふぉふぉふぉ(晴れやかな笑顔)」
いきなり気配がしたと思ったら、紐に繋がれた丸太が俺めがけて放物線を描きつつ向かって来た。
俺はそれを受け止める。
手が痛い(糞が)
「よく受け止めたの~」
「まるで他人事のように言ってるとこ悪いけど一発ぶん殴っていい?(曇り無き殺意)」
「嫌じゃ(拒否)」
この爺マジでうぜぇ。
「てか今の何ですか?」
「ああ、今のが修行じゃ」
「は?あれを受け止めるのが修行?温くない?」
はー、やはりこんな奴が教えれることなんて何もなかったか。
「呵呵呵!!んな訳無かろう」
「じゃあ何するんですか?」
これじゃ無いなら一体何を…
「この丸太(に似た奴)を目隠ししつつ、身体強化を使わず、耳栓をして、鼻栓を突っ込み、全て避けて貰うのじゃ」
「は?」
「ちなみに、夜になったら自力で帰ってこい」
「あ?(堪忍袋決壊寸前)」
こうして俺の修行の日々が始まった。
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