第11話 父さん合宿 その2

暑い夏の始まりを感じさせる暑さは、この無駄に広い道場にこもった熱気のせいだろう。


そしてその道場の中心で、俺は自分と同い年の少女と向かい合っていた。


「はやくやろっ!」


「勝てる訳がないんだよなぁ…(絶望)」


「そんなことないからさぁ!」


何でこいつ滅茶苦茶ワクワクしてんの?こっちは今生きるか死ぬかの瀬戸際なんですけど?(絶望)


「では両者向かい合って、武器は木刀、勝敗はワシが見定めるし致命傷はワシが受け止める、安心して全力やりなさい」


何この爺さん、子供の一撃位受け止めれるって?お願いします受け止めてくださいお願いしますお願いしま(祈り)


「始めっ!!」


…始まったか。


「………………ジイー(ガン見)」


向こうは待ちの姿勢のようだ、滅茶苦茶ガン飛ばしてくる。さながらその姿はハシビロコウと言ったところだ。(現実逃避)


………10秒経過。


そろそろ攻めようよ?一瞬で終わらせてよ?もうチビったよ…。


………20秒経過。


恐怖で息が出来ているのか分からなくなってきた。


………30秒経過。


俺は腹をくくった。もう、突っ込もう(諦め)


そう覚悟を決め、身体強化を最大出力で使い(+全1000)、俺は脚に力を入れて、飛んだっ!!


シュンッ


そして浪江のド真ん前に到達する。


「ぇ?」


浪江は呆れて物も言えないようだ。今まで頑張ってトレーニングしてきたのに。


そして俺は手に握ってある木刀を振り下ろす。


「やあ!!」


だが、その一太刀は、横から入ってきた竹刀に受け止められる。


そしてその瞬間、轟いた。


バシィンンンンンンンンン!!!!!!


ぐあっ!!ヤベェ、手が震える!!


そして俺はその反動で、木刀を天高くぶっ飛ばされた。

そして飛ばされた木刀が放物線を描き。


バチン!


木刀が地面に叩きつけられたのと同時に。


辺りは静寂に包まれていた。




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