第10話 父さん合宿 その1
「「ついたぁ!」」
「貴方、運転お疲れ様」
誘導された駐車場に車を入れ、長いドライブから解放された俺と父は、気の抜けた声を響かせた。
バンッバンッバンッ
俺達は車から降り、可愛らしい、恐らく同い年の既視感のある 女の子に連れられ、道場のある屋敷えと足を踏み入れた。
☆☆☆☆
「よくぞ参った、ワシも会いたくて仕方無かったんじゃ、呵呵呵。」
「どうぞお初にお目にかかります、無神総一朗といいます。(怖い。)」
「ふぉふぉふぉ、そう堅くならんでいい。ときにこんな辺鄙な道場で学びたいといった子はお主か?」
「はい!僕です!!!(このおじいちゃん、よく父さんに上から目線で声掛けれるな、まあ家の父さんは礼節を弁えた人だからな、運がいい。)」
「おお、よくぞ参った!心待ちにしておったのだ、何時も再生回数を伸ばしてくれるそなたを!」
「いえいえ、とんでもない。ていうかおじいちゃん、聞きたい事があるんだけどいい?」
「ふぉふぉふぉ、何でも聞いてくれ。」
「この屋敷おじいちゃんとそこにいる女の子以外人がいない気がするんだけど、気のせい?」
そう、この屋敷、バカみたいに広いのに、人の声などを一切感じないのだ。
おかしい、そう思っていると。
「ああ、実はの、この夏休みに仕事が忙しいからと毎年預けられる孫とワシしか居らんのだよ。この屋敷。」
「「「え?」」」
俺ら家族完璧にハモった、せめて2人は弟子いると思ってた。
「(マジかよ!!!このじいさんマジで強いのに。)」
「(まあ、そんなもんか。)」
「(あらあら、掃除大変ねぇ)」
まあ取り敢えず、もうひとつ気になった女の子。
この子名前は多分日ノ出 浪江(ひので なみえ)
ゲームで見たことあるキャラだ。
確か2学期の学校対抗戦闘訓練で登場するキャラだ。
都の虚にある明け星高校のエースで、マジで強かった思い出がある。
何でこんな主要キャラが弱めの道場に夏休みだけ来てるんだ(話は聞いとけ)?
「成る程、その子のお名前は?」
「ふぉふぉふぉ、ほら、自己紹介じゃ」
「はい!じい様!どうもはじめましてひのでなみえです!!!いっしゅうかんよろしくおねがいします!!!」
「ふぉー、流石我が孫、元気一杯でかk…かっこいいの」
「やったぁ、褒められた!」
うん、確かに可愛い。
そして分かった、よく考えたらこいつはまだ職業ついてないわ。
職業ついていなかったら、俺レベルで弱いんだ
そしてじい様とやらも尊敬していると。
確かに行くわな、おじいちゃん家。
でもそれだと何であんなに強くなるのか説明出来ない。
まあ、話していけば分かるだろう、今気にすることじゃない。
「して、いきなりなのだがの、これがお主らの部屋のカギじゃ、掃除はしたが、汚いと思ったら、追加でしておくれ。」
「分かったよおじいさん。よし、息子よ!!部屋にいくぞ!」
「よし行こう!!」
どんな部屋か楽しみ!
「あー、ちょっと待ってくれ。」
「あっはい、何でしょう?」
父さんが答えると、老人は立ち上がり、道着を俺に渡してきた。
「部屋に行ったらついでにこれで着替えて、家の孫と一戦交えて欲しいのじゃ。」
「え?あっ分かりました!」
「うむうむ、素直じゃあ」
え?ヤバくない?いくら職業無いからって、未来のエースに勝てる訳無いじゃん。
そして俺は、半ば絶望しながら部屋へと向かった。
ちなみに部屋はくそキレイで、いい雰囲気の旅館みたいな感じだった。
最高!!
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