ヤリサー襲来‼︎



「忘れちゃいねぇよ」

「それならば構いませんが」


 話は戻って現在。

 ヴィルゴの注意を突っぱねる。


 でもまあ、気を抜いていたのは確かだ。

 そんなオレに釘を刺すように、ヴィルゴが口を挟む。


「油断禁物ですわよ。次の刺客は既に来ていますわ」

「はあ⁉︎ 言えよ‼︎」


 いつの間に⁉︎

 反射的にキョロキョロと辺りを見回しそうになる頭をぐっと堪える。魔術で追跡を誤魔化したからと言って、普通に目立って良い理由にはならない。

 代わりに、ヴィルゴを非難するように睨む。


 対して、ヴィルゴは片手で右眼を抑え、虚空を見つめるように目を凝らす。眼を抑える手の指の間からは、青白い光がほのかに零れていた。


「目から光? それも外送理論とかいうヤツか?」

「正解ですわ。使い魔ファミリアとして発光する細菌を飼っておりまして、彼らの放つ光とわたくしの視線を『類感』させることで、視界を共有させていますわ」


 発光バクテリアみたいなものだろうか。

 視線を別の生物の光で代用できるのならば、機械的に視線の光自体を再現できるかもしれない。


「『白』からは去勢騎士スコプツィ・ルィツァリが50人、『灰』からは魔術師が3人、『黒』からは魔術結社ヤリサーが一つですわね」

「何も分からねぇわ」

「あー……、去勢騎士スコプツィ・ルィツァリは魔術を捨てて魔術無効の剣や鎧に身を包んだ者達ですわね。アドゥルテルが使った代替魔杖ディルドの上位互換と思ってもらって宜しいかと」

「…………マズイんじゃねぇのか?」


 魔術無効……魔術師の天敵か。

 これは天才科学者たるオレの出番かな?


「ですが、魔術が使えませんのでそもそもAIランドに不法入国できませんわよ。空港の検問で引っかかっているのが見えますわ」

「馬鹿なのか?」


 オレの出番じゃなかった。

 当たり前と言えば当たり前なのだが、魔術オカルト抜きなら学術都市の外にいる人間がAIランドの科学に敵うはずがない。

 ましてや、剣や鎧を持った不審者が検問を通れるはずもなく。


灰魔術師グレイウィザードの方は、逆にAIランドから逃げ出してますわね。恐らく『黒』に雇われた傭兵でしょうが、『白』の動きを察知して巻き込まれないようにしているのでしょう」

「ってことは、残るは『黒』の…………あ? ヤリサーっつってたか、お前???」

魔術結社ヤリサー黄金の天球The Golden Sphere〉ですわね。こちらは──」

「待て待て待て待て、まだ飲み込めてねぇぞオレは」


 ヤリサー? 何でヤリサー?

 謎の魔術用語に紛れ込んでいて反応するのに遅れてしまった。だが、明らかに頭のおかしい下ネタがそこにはあった。


「現代の魔術とは即ち『射精魔術』なのですから、魔術結社がヤリサーになっても不思議ではないですわよね?」

「不思議だぞ⁉︎ 聞いてるだけで性病とか怖くなるわ‼︎」

「細菌やウイルス由来の病気であれば、虫除けの術式で死滅させられますわ。魔術師は基本、病気に罹らないですわよ」


 もういいですか? と、迷惑そうに瞳が語る。

 良くはないのだが、これ以上聞いた所で理解できそうにないので諦めて頷く。


「〈黄金の天球The Golden Sphere〉は『黒』の中でも五本指に入る規模の魔術結社ヤリサーですわ」

「うん」

首領リーダー魔法名なまえはテスティス。活動場所は主にアメリカ。AIランドに来ているのは首領も合わせて7人ですわ。ですが、7人の合計ハーレムは500を超えますわ」

「うん。…………うん??? やっぱ説明してくれ。ハーレムってなに???」


 ハーレムって、確かアドゥルテルも言っていたような。

 確か、アイツは自分を元ハーレム50の実力だと言っていた。文脈的に言えば、戦闘力みたいなものだろうか。


「はぁ……面倒くさいですわね。ハーレムとは、保有する雌奴隷の頭数を表す指標ですわ。つまり、〈魔術決闘ペニスフェンシング〉の勝利記録と言っても過言ではありませんわ」

「500人の魔術師を下したヤツらってことか……⁉︎」

「加えて、敗者たる雌奴隷はその魔力を勝者に供給しますわ。『射精魔術』使いは世界中に5万人程いると言われていますので、〈黄金の天球The Golden Sphere〉は魔術世界1%の魔力を独占する敵ですわね」

「…………ッッッ‼︎」


 強力な敵、加えて一対七。

 敵を倒す未来ビジョンが見えない。

 思わず、弱音が零れ落ちた。



「勝てる、のか……?」

「楽勝ですわよ」



 あっさりと。

 ヴィルゴはそう述べた。


「強いと言っても、それは〈魔術決闘ペニスフェンシング〉での話。通常の魔術戦ではわたくしに分がありますわ。〈媚薬香水チャームフェロモン〉使用時でも、実力はほぼ同格でしょうし」

「だっ、だけど一対七だぞ⁉︎」

「決闘空間内では強制的に一対一タイマンですわ。後は貴方の『横紙破りルールファック』があれば……ほら、?」

「…………‼︎」


 そう、か。

 そうだな、オレたちは一蓮托生。

 ヴィルゴが勝てると言ったのならば信じる他あるまい。


「あっ、この位置でしたら……ここから見えますわよ。窓の外、ビルの屋上にいるのが〈黄金の天球The Golden Sphere〉の7人ですわ」

「確かに見え──────オイ、ヴィルゴ」

「?」


 AR携帯電話コンタクトレンズの操作して、視界をズームして敵魔術師を視認する。そして、



「アイツら、全員顔同じなんだけど」

「────ええっ⁉︎」



 ええっ⁉︎ じゃねぇよ。

 既に想定外が起こってんじゃねぇか‼︎


「兄弟……? それにしちゃあ、全員似すぎてるな。クローンか?」

「なっ…………なぁッ⁉︎ 同一人物判定を誤魔化していますわぁぁぁぁぁぁぁぁ‼︎‼︎‼︎」

「うるせぇッ⁉︎」


 あっ、ヤバ。目が合ったんだけど。

 流石に騒ぎすぎたか。


「どどどどどどどっ、どうしましょう⁉︎ 『大祓おおはらえ』の形代かたしろと同じですわっ‼︎ 魔術的に見ると、あの7人は全員が同一人物ですわ‼︎」

「オイオイ、その場合〈魔術決闘ペニスフェンシング〉のルール的にどうなるんだ?」

「決闘に介入可能ですわ‼︎ 作戦変更ッ、決闘空間を構築されたら二対七になって終わりですわよ⁉︎」


 逃げるか? いや、既に見つかっている。ヴィルゴがやっていた小細工が、見つかってからも効くのかは分からない。

 それに、振り切って追撃をビクビクと怖がるよりも、ここで叩いておいた方がいいか。


「ディルド壊した時みたいに、一人撃破したら他のヤツも倒せないか?」

「そんなの相手も分かっていますわ‼︎ ですからッ、呪いやペナルティは波及しないように調整してあるに決まってますわよ‼︎」


 考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ考えろ。

 今ある手札。既に得た魔術の知識。オレが生涯をかけて学んだ『科学』を掻き集めろ。

 戦えねぇ癖に頭さえ働かなかったら、本当にオレは邪魔なだけのデクの棒だ。天才と呼ばれた頭脳を全力フルで回せ。


 ──そして、天才的なが働く。

 あらゆる過程を無視して、結論を引き摺り出す。


(魔術的な戦いバトルはヴィルゴに任せるとして、オレの科学じゃヤツらに致命傷は与えられねぇ。だとしたら、狙うべきは…………


 〈魔術決闘ペニスフェンシング〉のルールを鵜呑みにするな。

 思い返せば、魔杖ペニスの量産や複数人による決闘など、アドゥルテルも〈黄金の天球The Golden Sphere〉も裏技を使っている。

 オレたちだけが律儀にルールを守る必要はない。オレは『横紙破りルールファック』だ、ルールを悪用するんだ。


「なぁ、ヴィルゴ。アイツらが来るまでの猶予は?」

「3分ほどなら誤魔化せますが…………は⁉︎ 迎え撃つ気ですの⁉︎」


 3分……ギリ間に合う、か?

 いや、やるしかねぇ。


「3分クッキングだ。デパートから材料を現地調達すりゃあ大丈夫だろ、多分」


 ヴィルゴは不安な顔をする。

 それはそうだ、魔術師の脅威を知らない素人の言うことなんてすぐには信じられない。だけど、今は作戦を説明している暇はない。

 だから、オレは安心させる為に強気の台詞を吐いた。



「ルールのアナに手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わしてやろうぜ‼︎」




 ◇◇◇◇◇◇



〈Tips〉


魔術結社ヤリサーとは、魔術師達が集まって結成された組織のことである。ただし、射精魔術が主流の現代においては、そのほとんどが性行為目的ヤリモクの反社会的組織である。

◆規模は大小様々で、3人の所もあれば100人を超える所まである。表社会では会社として存在している結社も多く、拠点は世界各地を転々とするのがスタンダード。

◆基本的に魔術結社ヤリサーはその名前に色を含み、それぞれが混じり合い『黒』の勢力が生まれる。一番人気の色は黄金で、次に人気なのは銀色。


 ◇◇◇◇◇◇




「次ハ何処デ曲ガル⁉︎」

「アッチダ‼︎」


 ドタドタドタドタ‼︎ と。

 慌ただしい足音がデパートに響く。

 二人の男が廊下を走っていた。

 男の片方は股間チンコ部分だけがくり抜かれた奇妙なスーツにマントを羽織っており、もう片方の男は全裸だが男の象徴チンコにだけ蝶ネクタイを結んだ格好をしていた。端的に言って、両方とも露出狂の変態のようだった。


 そんな彼らこそ、魔術結社ヤリサー黄金の天球The Golden Sphere〉の魔術師。

 宗聖司そうせいじを狙う『黒』の刺客である。


 男達の顔は双子のようにそっくりであったが、彼らに血縁関係も何もない。彼らは整形して首領リーダーと同じ顔を手に入れていた。

 そして、それは『類感』によって同一人物判定を誤魔化すためであった。この裏技による強制的な物量戦こそ、彼らが魔術世界の1%を占有するに至った理由である。


「気合イガ入ッテルナ」

「他ノヤツラニ先ヲ越サレルワケニハイカナイ!」


 AIランドこの島に来た『黒』の刺客は全員で七人であるが、この場には二人しかいない。

 首領リーダーを除く六人の魔術師は、三組に分かれて対象ターゲットを捜索しているからだ。


 二人の男は首領リーダーに教えられた座標まで辿り着く。

 そこは人のいない寂れたゲームセンターだった。埃こそ被っていないが、人がいないのにも納得できるほど薄暗くて寒い。

 しかし、男達は怪訝な顔でそのゲームセンターを除く。ゲームセンターの中には、誰もいなかった。


「本当ニココナノカ?」

「…………ソノ筈ダ。首領ノ魔術ハオ前モ知ッテイルダロウ?」


 〈黄金の天球The Golden Sphere〉は、その名に相応しく星座を利用した魔術を得意とする魔術結社ヤリサーであった。

 そんな〈黄金の天球The Golden Sphere〉を治める首領リーダー、テスティスの得意技こそが人物探知術式。探し人のいる位置から見える星座を投射し、そこから位置座標を逆算して割り出す魔術である。


 今回の襲撃にもその魔術は使用されており、一時的に妨害されるも、視認によるマーキングと合わせて成功したはずだった。

 


 周囲を警戒しながら、男達は一歩ずつ歩みを進める。

 一歩、一歩。ゆっくり、ゆっくり。


 やがて、首領リーダーから送られてきた位置座標と男達の位置座標がもう少しで重なる距離まで来た。

 あと三歩、二歩、一歩。

 そして───



「マサカ天井ニッ────⁉︎」

「────よお、待ちくたびれたぜ」



 ‼︎ 

 


 奇襲。

 それも、こちらの魔術を完全に理解された上で、相手の戦術に取り込まれた。


 いつの間にか、男の足は宗聖司そうせいじを踏み付けていた。

 いいや、いつの間にかではない。宗聖司そうせいじはその場所にずっと存在した。ただ、プロジェクションマッピングのように彼の全身に異なる光景が投射されたことで、床に擬態して見えなくなっていただけだ。


 雷光の正体は魔法のステッキスタンガン

 魔術師を包む強力な加護さえ貫く、法規制を完全に無視した致死性たっぷりの改造品である。

 男達がその一撃で沈むことはなかったが、後一撃食らえば終わる。そう確信するほどの威力だった。



 男達の思考は止まった。

 もう少しでも距離があれば、また違ったのかもしれない。だが、対象ターゲットはすぐそこまで迫っている。

 突然の危機的状況と考える時間の無さ、二つが合わさって男達から冷静さは奪われた。


 片方の男──股間丸出しの方──は何もできずに硬直した。いわゆる擬死タナトーシス、死んだフリに近い。本能的な恐怖が肉体を停止させる。

 もう片方の男──チンコ蝶ネクタイの方──は反射的に〈媚薬香水チャームフェロモン〉を床に落とす。本能的な戦意が体に染みついた決闘の記憶を呼び起こした。


 チンコ蝶ネクタイ男の行動は、咄嗟の判断としては満点に近かった。

 決闘空間を構築することで他者からの攻撃を無効化し、自身の魔術を底上げする。投げた瓶が即座に割れるように、最短距離の真下を狙って投げたことも、いつもならば最適だった。


 ただし、一つだけ減点箇所があるとするならば。

 


「────ア?」

「まずは、一人」


 宗聖司そうせいじは〈媚薬香水チャームフェロモン〉を危なげなくキャッチすると、キュポンとその蓋を開ける。


 




 ◇◇◇◇◇◇



〈ルール参照〉


◆規則の四。制限時間は使用した媚薬香水チャームフェロモンの量で決定され、制限時間内に勝負が決まらなかった場合は挑戦者の敗北となる。




 ◇◇◇◇◇◇




 瞬間。

 蝶ネクタイが床に落ちた。


 男は全身に気怠さを覚え、何故だろうと落ちた蝶ネクタイを目で追う。

 しかし、床を見るまでもない。即座に視界に入ったおっぱいがそれを雄弁に語っていた。


 そして、彼は少し遅れて現実を理解した。

 つまり、

 もはや、彼をチンコ蝶ネクタイ男と呼ぶことはできない。姿



 即ち、魔力枯渇テクノブレイク

 男は雌奴隷へと女体化れいらくした。



「ナッッッ⁉︎⁉︎⁉︎ 何ヲシタ……⁉︎」

「たった一滴の〈媚薬香水チャームフェロモン〉じゃ、制限時間は一秒も保たないみてぇだな」

「挑戦者ヲ押シ付ケッ、時間切レタイムオーバーデ敗北サセタノカッッッ⁉︎⁉︎⁉︎」

「カタコトで喋んな、聞き取りづれーよッ‼︎」


 そんな相方の醜態を見て、股間丸出し男は硬直から解放される。

 同時、宗聖司そうせいじは床を蹴って肉薄する。


 しかし、股間丸出し男の行動はそれよりも速かった。

 目の前で起こった失態を反面教師にし、後方へ〈媚薬香水チャームフェロモン〉の瓶を投げて叩き割る。



「聞ケッ、我ガ目ヲ────、────ッッッ⁉︎」

「声が出ねぇだろう?」




 ◇◇◇◇◇◇



〈ルール参照〉


◆規則の一。決闘空間は挑戦者の宣誓と、媚薬香水チャームフェロモンの充満によって展開される。




 ◇◇◇◇◇◇




「ッ──、────ッッッ⁉︎」

「声ってのは声帯を震わせて出すモノだからよ。それを相殺するような逆位相の音波をぶつければ、テメェの宣誓こえは簡単に潰せんだよ」


 地面に転がっている音楽プレイヤーと、それと有線で繋がった指向性スピーカー。

 天井に設置されたプロジェクターやスタンガンと共に、宗聖司そうせいじがデパートで買い漁った量産品を分解して自作した改造品である。


 宣誓できなければ、決闘は始められない。

 じゅもんを潰された魔術師の末路など一つしかない。



「とっととっちまえ」

「────ッ‼︎」



 宗聖司そうせいじはスタンガンを振るう。

 バチィッ‼︎ と電撃が弾ける。

 …………しかし。


 


 これこそは魔除けの術式。

 虫除けの術式と同じく、意識せずとも常時展開される不随意魔術の一種。

 股間丸出し男は魔力の大半を注ぎ込むことで、その無意識の加護バリアを最大限に高めていた。


呪文まじないヲ唱エラレズトモッ、素人ニ負ケル程軟弱ジャナイッ‼︎)


 股間丸出し男は右腕に全ての魔力を込め、力一杯振りかぶり──



 ──パシャッ、と。

 股間丸出し男は頭から透明の薬品を被った。



「────ッッッ、アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ⁉︎⁉︎⁉︎」

「うわー、えぐ……」


 薬品を投げたのはヴィルゴだった。

 股間丸出し男はこの戦いが一対一ではなく、一対二だという事を失念していた。そもそも、〈魔術決闘ペニスフェンシング〉でもない一対一の魔術戦でヴィルゴが負けるはずがないのだが。


「うえッ、視界をズームしたらカビが生えてねぇかコイツ⁉︎」

「虫除けの術式の応用ですわ。腸内細菌や皮膚の常在細菌のような、人間にとって必要な微生物を死滅させる術式ですわよ」

(ソンナモノジャネエ‼︎)


 股間丸出し男は心の中でそう叫んだ。

 必要な微生物が死滅したとしても、不随意魔術である虫除けの術式がカビを防ぐ。そもそも、こんな一瞬でカビが繁殖するわけがない。


 つまり、この薬品は不随意魔術の働きを阻害した上で、人間に利益のある微生物を死滅させ、人間に害を与える微生物を繁殖させる魔術だ。


(コレガ〈鋼鉄の処女アイアンメイデン〉……‼︎ 『射精魔術』ヲ忌ミ嫌ウ、現代魔術ノ異端児カ……ッ‼︎)


 意識を失う最後まで、股間丸出し男はでヴィルゴを睨み付けていた。





 


「アア、麗しき乙女ヨ。〈鋼鉄の処女アイアンメイデン〉ヴィルゴ……」


 Tシャツにジーパンという魔術師とは思えないラフな格好でビルの屋上に佇む男は、チンポジを微調整しながら呟いた。






 ◇◇◇◇◇◇



〈Tips〉


媚薬香水チャームフェロモンとは、使用者の性的絶頂オーガズムを促し、魔術師をトランス状態にまで持っていく香煙魔術インセンスマジック

◆源流は魔女のハーブにあるが、現代の形に整えたのは神働術師である『白の賢者』。材料は希少であり、精製法には手間がかかる。

◆完成の際に使用者の体液を混ぜる為、個々人によって成分が異なる。その為、魔術決闘ペニスフェンシングの挑戦者は誰が媚薬香水チャームフェロモンをぶちまけたかではなく、誰の媚薬香水チャームフェロモンをぶちまけたかで決まる。



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