第4話
力がでない。
にくきゅうを踏みしめるように力を込めようとするが、力が抜けていく。
もう、戻れないのだ。
俺の家はない。
餌も見つけられない。
俺はダメな猫だ。
このまま、死ぬのか。
もう、それでもいいか。
いいや、と諦めた。
「みい」
誰かがないている。
「みい」
悲しい声でないている。
「…みい」
俺が、泣いている。
生きたいと泣いていた。
泣きながら公園の真ん中で寝ている子猫を見つける。
ふわふわの黒猫は首の後ろをそっとくわえて持ち上げると、近くの段ボール箱に入る。
ひと舐めして大きな体で子猫を包み、丸くなった。
低く喉をならして。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます