第25話 ミチト対子供達。
コーラルがアクィを倒した所を見たヴァンは、「ごめん、オブシダンさん、グラスさん」と謝ってから2人を消す。
「俺の想像通りなら!ペリドット!ヘマタイト!ペリドットは巨大なファイヤーボールを空中に!ヘマタイトはフレイムウェイブ!俺は…増幅術!ウインドブラスト!」
ヴァンの指示とほぼ同時に、ライブが「舐めるんじゃ…ない!氷結結界!ウインドストーム!」と言って、巨大な竜巻を生み出して、その竜巻自体を凍り付かせようとする氷結結界を戦わせて、粉々に散った氷の塊が無差別攻撃のように飛び散る。
それこそ仲間より敵の多い今ならではの攻撃。
見越していたヴァンの読み勝ちだが問題は威力だった。
推し負けそうなライブの溶けた氷を、イブが「ライブの技を無駄にしない!アイスブラスト!」と言って凍らせて強化してしまう。
「くそっ…」と漏らすヴァンに、「いや、バッチリだ」と言ったのはコードで、イブ達に超接近をすると「ごめんねお母さん達」と優しい顔で微笑んだ後、苦しそうな顔で2人の腹部を殴って気絶させると、激高したミチトが「お前達!許さない!」と言って向かってきた。
身構えるのはコード、ジェード、ロゼ。
トゥモが「ロゼ!マアルに別れを告げろ!少しでもヴァンの負担を軽減させる!」と言ってから、ヴァンに「呼べ!6人目は隠し球だ、まずは5人!」と言うと、ヴァンは「はい!増幅術!召喚術!タシア・スティエット!シア・スティエット!ラミィ・スティエット!フユィ・スティエット!ベリル・スティエット!」と声をかける。
出現位置はトゥモが決めていたので、ラミィとフユィ、ベリルはマアルの横に現れると、「パパ!おやめください!」、「パパやめて!」、「お父さん!ダメだよ!」と声をかける。
ミチトは怒気に囚われながらも声の方を見て、「ラミィ?フユィ?ベリル?」と言う。
その瞬間に立ちはだかったタシアが、「お父さん!止まれ!」と言って殴り付けて、シアが更に踏み込んでミチトを蹴り飛ばすと、「お父さん!」と声をかける。
ジェードはペリドットに「戻ってヴァンの奴に術を送れ、俺たちの戦いを見逃すな」と言って、「よう父さん、子供達が勢揃いだぜ?」と言いながらミチトを目指す。
コードもヘマタイトに、「お母さん達は暫くは目覚めないから、アクィお母さんの横に連れて行ってあげて、それからはペリドットと同じでヴァンに術だよ」と指示を出すと「皆、久しぶり」と言う。
ロゼだけはヴァンの横、マアルの所に転移すると、「マアル、会えてよかった」と言う。「私も、今度は勝ってくださいね。それにしても私達の子孫と、トゥモ君の子孫が結ばれるなんて素敵ね」と言うと、ロゼがユーナを見て「あのタシアみたいな子は、タシアとシアとコードの子孫だって、俺達より凄いね」と返して、少し乱暴気味にマアルを抱き寄せてキスをしてから「ヴァン、マアルを下げて」と言った。
マアルの顔とキスをした時の涙を見てしまい、下げないで済む筋道を探すヴァンに、「限界近いんだから従え!俺たちは夫婦だ。何処にいても、離れていても、いつでも心は一つなんだ!」と怒鳴りつけると、「ラミィ、攻撃のタイミングは全部この大馬鹿ヴァンがやる。それまでは総量の3割くらいまでは術を送って」と言っている間に、トゥモがマアルに「悪いな」と声をかけて下げてしまっていた。
「勿論やりますわ。貴い者は仲間を見捨てません。フユィ、手伝って、ベリルはヴァンのタイミングまで周りを見なさい」
「やるよラミィ」
「うん。任せてよ」
それを見たロゼが満足気に「いくよトゥモ」と言うと、トゥモは「ああ、雪辱戦だな」と返して、ヴァンに向かって「召喚術の道標は継続しておくから安心しろ。後、作戦は任せる。俺たちじゃパパには勝てなかった。でもザップさんが蒼色さんに頼んで伝心術してくれたよ。ザップさんは「ヴァンの指示に従えば、きっと君達はスティエットを止められる。今王都で遠視術の使える者達は、皆君達の戦いを見守っているよ」だってさ。任せたからな」とヴァンに指示を出した。
コーラルは参戦したかったが、目があったシアは首を横に振り撤退を促すと、頷いたコーラルはヴァンの元に戻る。
ヴァンにはラミィが術を送っていて「あら、ママを退けたヴァンの良い子ね。その目、サルバンの貴い心が根付いている。あなたならヴァンを任せられるわね」とコーラルに向けて言うと、フユィとベリルも「本当ですわ。この方は貴いのですが、自己犠牲が過ぎますからよろしくね」、「本当だよ。お兄ちゃん達怒ってるからコーラルが代わりにヴァンを怒るんだよ」と続く。
コーラルは意味がわからずに「はい」と言うと、そこにペリドットが戻ってくる。
ペリドットはヴァンに「今は睨み合いだな、どう動く?」と聞くと、ヴァンは「予測は済んでる。先手はジェードからお願い!」と言った。
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