第21話 スティエット家の子供達。
ジェードが「次はどうすんだ!?」と聞くと、ロゼは「次はコードを呼ぶよ!」と言う。
「コードぉぉ!?お前!ここで呼んだら母さん達に色目使うぞ!」
「それが狙いさ!」
ジェードは嬉しそうに「確かにな、見てみたい。ヴァンって言ったよな!ウシローノさんは覚悟済み!好きなタイミングで帰って貰え!まだまだ頼むぜ!」と言って、「母さん!楽しいよな!」と言って更に切り込む。
ライブは必死になって滑走連斬を撃ち返し、経験値の差だけで回避行動をとりながら、「ちっ!ジェード!なんだかわかんないけど調子に乗るんじゃない!ウシローノは相変わらず嫌なタイミングで切りかかってくる!」と悪態をつく。
ジェードはそのまま「ペリドット!見ろ!お前は目がいい!母さんの手首と右足首!癖は消せない!タイミングを覚えたら俺が合わせてやる!俺の子孫が真式なんだろ!?サイコーだぜ!」と言うと、ペリドットも「任せろ!」と言ってライブに斬りかかっていく。
ロゼが「よし、ジェードなら安心だ。さあヴァン、次だよ。コードを呼ぶんだ、そこから先はかなり場が乱れる。乱戦だ。シアとラミィ、ベリルとフユィも呼ぶタイミングで声をかける。頼りにしてる」と声をかけると、ヴァンは「はい!」と返事をして「トゥモ!」と声をかける。
「捕まえてある!コードだ!」
「召喚術!コード・スティエット!!」
現れたコードは人懐こい顔で、ミチトより優しげな印象だが、トゥモから状況を受け取ると、一瞬怖い顔になって「任せな」と言って駆け出し、コーラル達と戦いながら状況を見てどう動くか悩んでいるミチトに向けて飛び蹴りを放つ。
ミチトは「ちっ!?今度はコード!?どうなってる?」と言ってコーラル達から目を逸らしてコードを見る。
それは即ちコーラル達よりコードを危険視していることになる。
だがコードは「ごめんねー。お父さんは後回しさ」と言って滑走術で駆け出すと、リナに「お母さん!元気ー!」と手を振りながらも、リナを無視してイブのところに行くと「イブお母さん!可愛いね!」と言って飛び付く。
イブが戦闘中にも関わらず抱き着いてくるコードに驚いて、「コードちゃん!?」と言うと、ニコニコと笑顔のコードは「ふふ、妙齢の男にちゃん付けはダメだよイブ」と甘く囁くようにイブの名を呼ぶ。
イブは豹変しながら「離れて!」と言って剣を振るうと、コードが「あらら、でも今の僕たちは全員全盛期の姿で、お互い歳の差は殆どない男女だよ?お父さんとラブラブでも構わないからさ、僕とも仲良くしようよ。プリン食べて、お肉食べて、お酒も飲んでさ、地下喫茶とかどう?僕が貴賓室の主人って呼ばれてたの知ってるよね?どう?キスとかしてみる?」と言って軽口を叩いている間も、イブは「やめなさい!はしたない!散々リナさん達と止めたでしょ!」と言って斬りかかる。
だがコードは「甘いよイブ、戦いは全部お父さんに任せて、僕と2人で…ライブお母さんも綺麗でいいね。ベリルみたいなのに綺麗だ…。3人でもデートしてくれるかな?アクィお母さんも綺麗だけど…胸がなぁ」と言いながら回避してしまう。
イブがキレて本気になり、「チョロチョロと!いい加減にしなさい!身体強化!二刀剣術!」と言った所で、コードが「えぇ?デートしてくれないの?キスは?」と言いながら殺気を放つ。
「するわけがない!」と言ってイブが切り掛かった瞬間に、「じゃあもういいや」と言ったコードが、一瞬で間合いを詰めてイブの顔面に拳を振り抜いた。
転がって起き上がったイブが苦しげに「くっ…」と漏らす中、イブが殴られた事に激高したミチトが「イブ!?コードぉぉぉっ!!」と言ってコードに向かうと、「あらあら、狙い通りだ」と笑ったコードが、瞬間的にアイスウォールやアースウォールでミチトの前進を邪魔していく。
それでも止まらず、ムキになって迫るミチトにコードは、「甘いよ。無限機関!」と言って一気に勝負に出る。
ミチトに2撃目まで打ち込むとミチトは「ぐっ!?」と言いながら後ろに飛んだ流れで距離を取った。
ユーナが「入れやがった…」と言ってコードを見ると、コードは「ユーナだっけ?訓練が足りない、入れられるイメージをしたらそれを崩さない!イメージに持ち込めるように戦場を支配するんだよ。ヘマタイト!イブお母さんを抑え込む!手伝って!」と言った。
再度コードはヘマタイトを連れてイブの前に立つと、「降参して、お父さんが負けを認めるまで、僕の胸の中で抱かさってる?」と聞き、赤く腫れた頬にヒールを当てながら「お断り!」とイブが言うと、「じゃあボコボコにするよ。僕はタシア達とは違うよ。女の子は大好きだけど攻撃に躊躇はない。男女平等だよ」と言って殴りかかる。
イブは必死に回避をして「二刀剣術!」と言って剣を振るうが、コードは「甘いよ。遠心力を使う分だけ剣は速いけど…ヘマタイト見てなよ!」と言った。
コードは「二双拳術!」と言うと、イブの手に追いついて十六連斬の軌道を全て逸らしてから、イブの顔面にパンチを入れる。
二度目のクリーンヒットに「あらら、折角の美人が台無しだ」と言いながら、コードは挑発するようにイブの殴った箇所と同じ箇所を指差して「赤いね」と言って笑う。
またイブが殴られてミチトが飛び出しそうになる所を、アクィが「ミチト!私が行く!」と言ってユーナを回避して、「コード!女性を弄ぶなんて貴い者はやらないわ!」と迫ると、コードは「甘いよアクィお母さん」と笑ってアイスウォールと氷結旋風でアクィの視界を奪う。
アクィはフレイムウェイブで術を無効化しようとしながら、「究極の無限術人間を舐めるな!」と言ったタイミングで、コードが「そんな真似しないよ。でもお父さんといいアクィお母さんといい、怒りすぎだなぁ」と言って笑うと、アクィの頭上からこれでもかとアイスランスと氷の矢が降ってきた。
「きゃぁぁぁっ!?」
「アクィ!!」
ミチトがアクィに駆け寄ると、アクィは辛うじて直撃は防げていたが、肌には細かな傷が出来ていた。
コードはニコニコと「ナイスだよロゼ」と言うと、皆の視線がロゼに集まる。
「そりゃあね。マアル、会えて嬉しい。俺をまたフォローしてくれてありがとう」
ロゼの横には純白の戦装束を身に纏った、アルマの妹マアルが弓矢を構えて立っていた。
マアルは「ふふ。愛してる。ロゼ」と声をかけると、ロゼは「俺もだよマアル。あの日の雪辱を晴らすから見ててよ」と言った。
「はい。お母様達は近付かせませんわ」と言ったマアルは、穏やかな微笑みでヴァンを見て「呼んでくださってありがとう御座います。この戦、負ける道理はありません。このマアル・スティエットも力を貸します。迎撃はお任せください」と言うと、空に向かってコレでもかと矢を放ち、中には氷の矢も混ぜる。それはマアルがロゼに教わった魔術アイスアローで、マアルは「アイスアロー!ウインドブラスト!」と言って矢の方向を制御して死角から一気に加速して牽制してくれていた。
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