第20話 全盛期対全盛期。
トゥモは今もヴァンを見て、真式の理解力で「お前…ボロボロで無限魔水晶でもすぐに減るか…、召喚術は二式を作らなきゃダメだな。まあそれは宿題だ。まずってか乱戦だろ?適宜呼ぼうぜ、とりあえず一番手だ!ジェードを呼べ!」と言った。
「うん!魂の概念を見つける為に、トゥモはジェード・スティエットを思い出して!」
「やったぞ!出せ!」
ヴァンは頷くと「召喚術!ジェード・スティエット!」と唱えると、トゥモが「伝心空間は俺が作る。お前は術の維持に備えろ」と言った。
光と共に出現したジェードはトゥモとヴァンを見て頷くと、「ペリドット!見てろ!これが俺の滑走連斬だ!トゥモ!援軍だ!アルマとウシローノさんも呼べ!」と言うと駆け出す。
トゥモは嬉しそうに「ちっ、ジェードの奴、張り切ってやがる」と言うと、「ヴァン!導いた!出現ポイントはジェードの横!呼んだ瞬間に伝心して、その場で動けるようにしてやる!呼ぶのはアルマ・カラーガとウシローノ・モブロンだ!」と続ける。
ヴァンは躊躇なく「了解!召喚術!アルマ・カラーガ!ウシローノ・モブロン!」と言った。
ジェードはミチトめがけて一直線に攻め込み、「はっ!貰ったぜ父さん!」と言うと、ミチトは「ジェード!?操られている!?幻覚か!?なんでアレ向かってくるのなら戦闘不能にする!」と言って滑走連斬の構えに入る。
ジェードはミチトの放つ圧に武者震いしながら、「ワクワクするぜ」と言うと連斬を放ちミチトの連斬と撃ち合っていく。
目にも止まらない動きの中、確実にミチトの攻撃がジェードを上回る。
ジェードは「父さんも俺も全盛期…真っ向勝負だ!」と言ったが、ニヤりと笑うと「だが俺は弱いからね!アルマ!」と呼ぶ。
ジェードの呼び声に反応したのは、ジェードの親友アルマ・カラーガで、「僕はカラーガでジェードの盾だ!」と言うと、ジェードが撃ち漏らしかけた連斬を盾で防いで反撃をミチトに加える。
アルマの一撃がミチトに当たるタイミングでジェードの一撃もミチトに入る。
「貰い!」と喜んだジェードが、「ウシローノさん!」と言うと、「行きます!」という声と共にミチトが反撃の術体制に入れないようにウシローノが切り掛かり、ミチトが「チッ!?ウシローノ!?」と言いながら蹴り飛ばす。
ジェードが待ってましたとばかりに「ウシローノさん!」と声をかけ、「いつでも!」と返したウシローノもナイフに持ち帰ると、滑走連斬をミチトに叩き込む。
ミチトはムキになって「甘い!」と言いながら二刀剣術で防ぐと、ジェードが「くっそ、想定以上の強さだ。トゥモ!アルマを下げろ!ペリドット来い!母さんを相手するぞ!」と言う。
ジェードは少し名残惜しそうに、「じゃあなアルマ、助かったぜ」と言うと、アルマも「僕こそ、君と高めた剣術が全盛期の闘神に届いたんだ。感謝してる」と返すと、ヴァンに「君の勇気と決断にカラーガ当主、アルマ・カラーガは敬意を表する!」と言って、敬礼と共に消えた。
ヴァンは辛そうに息をしていて、アルマが消えた事に苦しそうな顔をすると、トゥモが「俺が消した。長丁場だ。無理をするな」と言い、ヴァンに何も言わせないまま「次だ!やれるなヴァン!」と言う。
ヴァンは気を取り直して「やれます!」と言うと、トゥモは「なら呼んでやれ、俺たちの所だ!来いよロゼ!」と言った。
「召喚術!ロゼ・スティエット!!」
ヴァンの息遣いは更に荒くなり、光と共にロゼ・スティエットが現れる。
ロゼは状況を見て舌打ちすると、ミチトそっくりな顔で「コーラル!シャヘルと父さんの所で時間稼ぎと警戒!アゲースは俺が見る!ヘマタイト!俺の母さんを狙え!攻撃を待つ必要はない!」と指示を出す。
コーラルは自分には理解できなかったトゥモとヴァンの会話が気になっていて、ヴァンを見たいが決戦なので気が抜けずに、心配そうな顔のまま前を見てシャヘルの元に向かう。ジェードとウシローノ、ペリドットは滑走連斬を三者三様に繰り出してライブと戦っている。
ロゼは優しい笑みで「よし、お前の良い子は離したから、弱みくらい見せるんだ」とヴァンに言うが、ヴァンは首を横に振って苦痛に顔を歪めながら「ダメだよロゼ・スティエット。俺が倒れればコーラルが耐えられない。俺の命なら、ここで使い果たしてもいいから!」と言った。
「バカ」と言いながらヴァンの頭を叩いたロゼは、トゥモに「トゥモ?その案で行く?俺の案も足してよ」と言う。
話に着いていけていないヴァンが、「ロゼ?トゥモ?」と聞くと、トゥモは「多重伝心術なんて余裕なんだよ」と言って笑うと、ロゼを見て「よし…ロゼは成金仕様でよろしく。そしたら次と次を呼ぶ。嬉しいだろ?」と言った。
「ああ、サイコーの気分だ。ヴァン、呼んでくれてありがとな。俺たちが父さん達を止める」
ロゼは自身の収納術から腕輪を取り出すと、「本当は、俺がもう一度父さんとやる時が来た時のために作ったとっておき、この散りばめた宝石は全部無限魔水晶。一つ一つに俺が全力で戦えるだけの術が込められてるから、これならまだまだ戦えるよな?」と言ってヴァンに着けると、指輪やネックレスもドンドン取り出してヴァンに装着させて、「よし成金完成」と言う。
そのヴァンの姿を見てトゥモが嬉しそうにゲラゲラと笑って、「年下なんだからありがたく貰っておきな」と優しい顔でヴァンの頭を撫でる。
「よし」と言ったロゼは「ジェード!久しぶり!」と声をかけると、ライブと戦闘中でも「おう!こっちは任せろ!楽しいぜ!全盛期の俺達と、全盛期の父さんとの戦いだ!」と返事が返ってくる。
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