第5話 マジカル☆使い魔大活躍!

 僅かな時間の間にすっかり荒野と化した交差点。

 大きく陥没した道路の中央、マジカル☆ポエミィが土の中からゆっくりとした動作で立ち上がった。

「ぬうう……もはや是非も無い」

 マジカル☆ポエミィは、もはや原形をとどめていないマジカル☆ステッキを振り上げると、魔法の呪文を唱えた。

「カカリンココリンチンコロリン、来たれ、地獄の下僕『モヒカンデイズ』よ!」

 マジカル☆ポエミィの呪文が終わると同時に空の一部が黒く濁り、マジカル☆ポエミィの周囲が黒く染まる。その黒い空の一角が裂け、一筋の光が交差点の一角に降り注いだ。

 光の中から何かが段々と形をあらわにしていく。

 大きく、無駄に剛健な佇まいのバイク。モヒカンで肩パッドと棘のついた皮のジャンパーを着込んだ複数の人間の影が段々と明確な形を取る。

 光はついにはっきりとした形を成し、それらはマジカル☆ポエミィに向かって走り出した。

「ひゃははははは!」

「皆殺しだああ!」

 物騒な集団はマジカル☆ポエミィの前に来ると、全員一斉に停止した。

「ポエミィ様、バイクが生き残っております。どうぞお乗りください」

「それよりも魔界の暴風だ。奴らを始末しろ」

「しかし……奴らがどこに行ったのかが分からなければ……」

「案ずるな、奴らは必ず帰ってくる」

 マジカル☆ポエミィが不敵に笑いながら断言すると、辺りが突然暗くなり、風が強くなった。

 凄まじい轟音、人々が驚いて音の方を見ると、巨大な黒馬二頭が並んでこちらに走って来るのが見えた。

 巨大な黒馬二頭は、マジカル☆ポエミィとモヒカン達が居る所を交互に何度も何度も踏みつけた後、並んでどこかに走り去った。

 大ピンチ。

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