第4話 マジカル☆ポエミィ危機一髪!
巨大な黒馬は、社会のインフラに深刻なダメージを与えながら走り去っていった。
道路に残された巨大な蹄の跡。
人々が遠巻きに見守る中、蹄の跡のひとつが突然噴火したように爆発、砂煙の中からマジカル☆ポエミィがゆっくりと立ち上がった。
「ぬうん!」
気合一閃、周囲に舞う土埃を闘気で一気に振り払うマジカル☆ポエミィ。
「ぬう……?」
違和感に気付いて頬の辺りをさすると、その指には赤い液体がにじんでいる。
無敵要塞と呼ばれるマジカル☆ポエミィの肉体に傷がついていた。
「ぬうう、おのれグレートサンズめ……俺の肌に傷を……」
眉間に皺を寄せ、唇を歪ませたマジカル☆ポエミィ。
「奴め、調子に乗りおって……まあ、いい、かわりにあやつを呼ぶか」
ひん曲がったマジカル☆ステッキを力強く掲げ、重厚なバスで呪文を唱える。
「むうん……! ペンコロコンポロチンコロリン、我の元に来たれ、魔界の暴風『ヒステリックマム』!」
マジカル☆ポエミィが呪文を唱え終えると同時に空が黒雲に覆われ、強い風が吹き始めた。
遠くからまた地響きが聞こえてくる。人々は不安そうな表情で音のする方向に視線を向けた。
巨大な黒馬が、車を、道路を、ビルを蹴散らしながら走って来るという、悪夢のような光景が再び展開されていた。
巨大な黒馬は、マジカル☆ポエミィの居る所までやって来ると、何度も念入りに踏みつけてそのままどこかへと走り去った。
後に残されたのはすり鉢状になった道路と、たくましい背中だけ出して地面に埋まったマジカル☆ポエミィ。
大ピンチ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます