第2話 マジカル☆テレポート発動!

 夜の街を歩くマジカル☆ポエミィ。

 ツーテールの髪が夜風に舞い、原色の衣装がはためく。

 見えない圧力に押されたように周りの人々が道を開けていく。まるで無人の野を進んでいるかのようだ。


「ポリリン、カリリン、オンチョコブ」


 交差点に差し掛かった時、マジカル☆ポエミィはマジカル☆ステッキを振り上げ地獄の歌劇を思わせるような重低音のバスで呪文を唱えた。

 するとマジカル☆ステッキが眩い光を放ち、その光に目がくらんだ乗用車三台が交差点中央でマジカル☆クラッシュ。

 その運動エネルギーを利用して、マジカル☆ポエミィの魔法のひとつ、マジカル☆テレポートが発動した。

 マジカル☆ポエミィの体がマジカル☆ステッキから放たれるやわらかい光に包まれていく。光はマジカル☆ポエミィの全身を覆った後一際強く輝き、マジカル☆ポエミィと共にふっと消えた。

 高等魔法であるマジカル☆テレポートはつつがなく成功。マジカル☆ポエミィは大破炎上する車の中に移動完了した。

 既に運転手が逃げた後の車内、マジカル☆ポエミィは後部座席で火達磨になって座っていた。

「ぬう……」

 表情を変えずにそう呟くと、右腕を無造作に突き上げて車の天井に穴を開け、ゆっくりとした動作で燃え上がる車の上に乗り仁王立ちするマジカル☆ポエミィ。

「この程度の炎では俺を焼くことはできん」

 足元から吹き上がる炎に包まれながらそんな事を言っていたら、ガソリンタンクに引火して車大爆発。

 大ピンチ。

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