昼、ツンデレな幼馴染のご機嫌がちょっと斜めっぽい。
「まさかこんなところで副会長と鉢合わせるなんて、想定外だったわね……」
「はっ……! もしかして、他にも我が校の生徒が不純異性交遊をしているかもしれないわね。アンタも、我が校の生徒を見かけたらアタシに伝えるのよ」
(生徒会長たるアタシが表情緩ませ切ってるってのがバレたら、今後学校でどんな顔していいか分からなくなるのよね……)
「アタシたちが一番不純異性交遊してるって? ふふんおバカね。アタシたちは不純じゃないからいいのよ」
(その場の勢いで付き合ってる人たちと違って、アタシたちは別れることなんて、万に一つもないんだから)
「別に、アンタと一緒に歩いているのを見られるのが恥ずかしいって言ってるわけじゃないわよ。ほ、ホントだから! そんなに悲しい顔しないでよ、大好きなのは変わらないんだから――ぁっ……」
「……今のは忘れなさい。今すぐに。忘れて。ニヤニヤしないで! ねぇ、ちょっとお願いだから目を合わせてよっ! ねぇってば‼」
〇〇〇
「……アタシとアンタの間に結ばれた赤い結い紐、ちょっと結び目が弱いんじゃない? これ、取れたりしないわよね?」
「神主様が困ってた? なんで?」
「……『もっと強く結んでください! 絶対、絶対ちぎれないように!』って、そんな恥ずかしい懇願してなかったわよ、失礼ね! ……たぶん。記憶に薄いだけで。……きっと。……そんなことも、言っちゃったような気も、するけど」
「だって、だって! 結びが取れちゃったら! 外れちゃったら! アンタとお別れしちゃうかもしれないってことじゃない! アタシいやだもん! 絶対いや……コホン、って、アンタがほら、言うかもしれないからね、あはは、あははははは」
「ち、ちなみにアンタは、何をお願いしたのよ。聞いてあげてもいいわよ」
「『いつまでもアタシと一緒に仲良く暮らせますように』……。ふ、ふーん。アンタもそろそろ素直になってきたじゃない。顔? 赤くなってないわよ。ちょっと熱いだけよ……!」
「あ、アタシ? き、奇遇ね。アンタと一緒よ。『いつまでもアンタと一緒に過ごせますように』、よ。なんか文句ある⁉」
「ちょ、頭撫でるなってば! 人前でしょっ⁉」
「そ、そういうのは……おうちでするもんでしょ……バカ……」
「……まぁいいわ。せっかくここまで来たんだから、出店たくさんまわるわ。焼きそばも、リンゴあめも、ワッフルもチョコバナナも! 制覇するまでまわり尽くすのよっ!」
「ほら、行くわよ! 出店を制するものは祭りを制するんだから!」
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