第2話

私は音を立てないように離れて、そして、屋上に走った。 


屋上につくと力が抜けたように、上半身が倒れて、腕がつき、


「う、うわぁー!!」


知らなかった。知らなかった。あそこまで、あそこまで私のことを思ってくれてたなんて、なのに、私は、私は、



何度も、何度も、何度も地面を叩き、自分にある重みをぶつけるように叩きまくった。


「私の、私のバカァ、バカァ、バカァ!!」


優くんは、私を大切にしてくれていることは知っていた。けどやっぱり浮気をしてから少し冷たくなって、最近はそこまで私のこと好きじゃないのかなって思っていた。


違った、違った、私が勝手に誤解して、


私がぁ


ーーーーーーー


そして、やっと落ち着いた頃


私は優くん以外の連絡先と記録を全て消した。


これからは優くんに尽くす。全ての愛を、


あの時、本当は覚悟していた。あの告白した日に、


今度こそ、もう優くんにあんなことを言わせないために、


私の罪を償うために、


ーーーーーー

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