柳生・ビューティフル・ドリーマー
超々巨大複合商業施設『日本』、その最上階である高度四百キロメートルに映画館が存在する。その映画館は柳生以外の者は使用することはできない。
当然そこで柳生の者たちはスクリーンを見ていた。
『イヤー!!』
スクリーンの中で幾人もの柳生剣士たちが十兵衛に斬りかかる。
『グワーッ!!』
十兵衛の
「随分嬉しそうですね、
包帯で顔面を覆った男が隣に座る少女と言っていい外見年齢の女性に話しかけた。
もちろん映画館の館内で会話することは禁止されている。だがこの二人にそれを指摘できる者がどれだけいるだろうか。
「兄様が生きて動いているんですよ、嬉しいに決まっているでしょう」
「次は私が斬られて参りましょうか?」
ただで負けるつもりはなく、斬られて死ぬつもりもホームズにはなかった。
宮仕えとして、主君の喜ぶ柳生剣士らしい発言をしているだけだった。
「柳生剣士ならば負けるつもりで戦ってはいけませんよホームズ」
二人は館内の監視カメラの映像をこの映画館のスクリーンで観賞していた。
館内には二人の他に誰もいない。
ホームズは
「早く兄様と斬り合いたいものです」
十兵衛の刃はまだこの二人届かない。
西暦二千XX年現在、地球上に存在する柳生剣士は十億人。柳生剣士を除いた地球の人口は五十億人であった。
決めようか、柳生と人類。どちらが生きるかくたばるか。
柳生十兵衛は二度死ぬ 遲?幕邏咎哩 @zx3dxxx
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