第105話 矢の種類と仕組み①
部員達が使用する「弓」と「矢」を新調するため、俺は『♂全力射ゲイ♀』と来ていた。
相変わらずマスターは、スキンヘッドでピンク色の袴姿だ。
カウンター越しに、くねくねした動きをしている。
「いいわよぉん♡ ゴッドちゃんの頼みだしぃ〜聞いて…あ・げ・る♪」
「……ありがとう、無理を言ってしまって申し訳ない。このお店に来てもいいんだけど、道場で試し射ちをしたくてね」
話はトントン拍子で進み、マスターには真弓高校に直接来てもらう事になる。
出張販売みたいな感じになるだろうが、快く引き受けてもらえたようだ。
今度の土曜日は全員来る予定なので、マスターに日時を伝え、俺はスマホを取り出した。
皆には、その連絡をしておこうと思う。
→ → → → → 【解説】
ここでは、弓道競技で使用される、矢の種類について解説する。
弓道競技で使用される矢を分解し、それぞれ部品として例え、説明していく。
①矢尻→矢の先端(刺さるほう)
②矢のシャフト→棒の部分
③矢についてる羽
④筈→弓の弦にかつがえる部分(ハメるとこ)
①と④に関しては、一般的に大きな違いはない。
ただ、①は矢の種類によって重りが入っていたり、若干形が変わる。
④は透明な奴があったりと、デザイン的な部分が違う。
②「矢のシャフト」
この部分に使われる素材は、大きく分けて3種類ある。
【ジュラルミン製】
一般的に多く普及しているのがこの素材である。
金属質で比較的安価であり、よく使われている。
段階別に矢の強度が分かれていて、ざっくりと3段階とするならば、1→2→3と上がっていくにつれ、矢が太くなり、重量と強度が向上していく。
その理由は「弱い弓に向いているもの」→「強い弓に向いているもの」へと、弓の強さによって使い分けるためだ。
【カーボン製】
ジュラルミンと比較するならば、軽くで丈夫な素材であり、矢の「しなり」や「振動」に強い。
要は安定しやすくなる。
やはりこの種類にも段階があり、その理由はジュラルミン製と同じ理由である。
【竹製】
天然の竹を加工したもの。竹弓とは違い、達人向けとまではいかないが、一本一本手作りで職人が作るため、保管方法によっては矢に個体差がでてくる。
竹弓と同じ、メンテナンスはかなり大変である。
ちなみに、ジュラルミン製、カーボン製との大きな違いは、「矢が飛んでいく音」が違う。例えるなら、〈キイィン〉といった音がなる。
【
樽のような藁に矢を射る時に使用するものである。①の形が違う。
基本的に羽がないものが多いが、羽があるのもある。
※他にも、遠的用の矢もあったりする。
③「矢の羽根」
これにも色々と種類があるのだが、簡単に言えば、長持ちするかどうか、である。
これには人工的な材質で作られたもの、実際に鳥の羽を使ったもの、などがあり、その種類は様々だ。
羽が硬い、柔らかい、丈夫など、そういった違いなのだが、一般的に推奨されるのは
その理由は、総合的に長持ちするからだ。
あとは、同じ矢にも「
甲矢は右回転、乙矢は左回転で飛んでいくのだが、これは各々の好みで使い分ければいいと考えている。
ただ、武道として礼儀作法には該当するので、使い分ける場面はある。
これら『①+②+③+④=矢』となるので、自分の好みに合わせて選べばいいと考えている。
ちなみに、べらぼうに高い値段のものもあるが、芸術的であるとか、希少価値があるとか、そういった世界の話になる。
結局のところ、やはりこれにも答えはなく、自分に合ったものを選べばいいと、俺は思っている。
【解説終わり】← ← ← ← ←
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